《完結》彼のスーツを脱がす時９【NINO】 (ページ8)

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248.愛情の物差しページ8

二宮「大丈夫？」(笑)

タイムリミット

乱れた洋服を慌てて直す私とは裏腹にハンドルに身を預け外を見ている二宮さんは何処までも余裕そうだ

「二宮さんはどうしていつもそんなに余裕なんですか」

二宮「余裕そうに見える？」(笑)

くるりとこちらに向き直る彼

「ものすごく」

私の間のない返事に呆れたように笑った

二宮「余裕があったらこんな所でせまらないけど」(笑)

「それは」

二宮「Aちゃんの事になると見境なくなるけど貴女の不利益がないかだけは理性がとんでもちゃんと考えてるよ」

「え？」

二宮「ここマンションの住人以外来ないいでしょ？」

マンションの住人しか来ないのはわかるけど

それでもそのリスクはあるわけで

彼の誘惑に負けてしまった自分が悪いんだけど

それに余裕な二宮さんが何を考えてるのか

二宮「前にも言ったけど右も左もそのまた右も左も何なら前も俺の車、おまけに言うとここのエリアに入れるのはさらに決まった住人だけ」

「決まった住人？」

二宮「このマンションの上階部分に住む人間だけだろうね？」

「それって…」

二宮「ここに誰かがくるなら櫻井さんか小山さんくらい、あの二人は今…？」

「…イギリスです」

渋々答える私にしてやったりな二宮さんの笑顔

「もうっ二宮さんの馬鹿、そういう意味じゃっ」

私の振り上げた手を乾いた音に容易く捕まえる彼

二宮「愛情に物差し……メジャーなんてないだろ？」

何れだけ相手が好きか

二宮「でも、測れるとしたらこういうことなんだよ」

相手が何れだけ自分を好きか伝える術があったのなら

恋愛関係はもっと平等な関係なのかもしれない

「意味がわかりません」

二宮「モラルも何も考えられないくらいにアノ時の貴女は俺に夢中だったでしょ？」

彼のように何でも器用にこなせて人の何歩先をも見てる人でも

「そっ、それは」

そんな風に不安になるんだって…

でも、彼がそんな風に思ってくれることにその愛情の深さを知る

二宮「俺のエゴだね」(笑)

これが二宮さんが言う恋愛のメジャーなのかもしれない

二宮「今夜は早目に休んで」

「はい」

二宮「それじゃ」

「あっあの」

二宮「ん？」

「えっと…」

二宮「なに」(笑)

「い………いってらっしゃい」

躊躇い言う私に彼は天をあおぐように笑う

二宮「ためただけの意味あるね」(笑)

「へ？」

二宮「半端ない破壊力」(笑)

「え？」

二宮「何でもない、いってきます」(笑)