242.生い立ち←10/20 ページ2
二宮「Aちゃんも一緒にね？」(笑)
「……………え？」
"一緒に"…って……私も今日二宮さんと一緒に帰国するってこと？
彼はしてやったりな笑顔に私を見る
「えっ！？用意してくれた飛行機…」
二宮「キャンセルしたよ」
「でも、部屋…」
二宮「直ぐに必要なものだけ後で寄るから取っておいで？」
「片付け…」
二宮「お願いしてるから大丈夫」(笑)
私が何を言うかなんてお見通しに答えた
二宮「他に質問がなければシャワー浴びておいで？その間に朝食の用意をさせるよ」
クシャリと撫でられた頭に
彼は私の頬に小さなキスを落とす
案内されたバスルームは想像通りに"想像以上"だった
まだ時間があるからゆっくりでっと言われたのでお言葉に甘えて広いバスタブにもつかると
そっと目蓋をとじ
昨夜の余韻に彼を思い出す
たった一晩
半年の空いた穴を埋めるのは一瞬だった
彼の存在の大きさが怖くもあり
そしてそれ以上に
……幸せ
結婚………願望がなかったわけではない
そう思える人が現れたらいつか自分にはなかった家庭というものを作りたいって
私には生まれた時から父はいなかった
写真でしかしらない"お父さん"
でも寂しいなんて思った事はなかったのは生まれた時からいなかったし
お母さんはお父さんのぶんも私を愛してくれてるって実感していたから
そして
写真の中のお母さんとお父さんはどれも幸せそうに笑ってた
結婚っとなったら二宮さんをお母さんに紹介しないといけない
そこには何にも心配はないけど
二宮さんのご両親…伯父様と伯母様にあたる方
私で納得してくれるだろうか
二宮さんはほとんど自分の事については話さないし
私自身も彼との関係でいっぱいいっぱいで、彼が自分から話してくれるまではと聞かないでいた
でも、少しは聞いてみるべきだし、私も自身の事を二宮さんにちゃんと話さないと
バスルームから出ると当たり前のように用意されている着替え
ブラウンに近いような赤い色のワンピースは小さな小花柄でデザインもいつもよりカジュアルだ
きっと飛行機の長旅に合わせてのセレクトだろう
靴もフラットタイプ
メイクを簡単にすると緩やかに編んだ髪をピンにまとめた
したくをすませ二宮さんのもとへ
「二宮さん…？」
誰も居ないテーブルには既に真っ白なクロスの上に美味しそうな朝食がならべられていて
二宮「おかえり、朝食も用意できてるよ」
私の声にテラスから戻ってきた二宮さんは綺麗に笑った
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作者名：2-38
| 作成日時：2019年10月14日 11時
