230.party ページ21
オープニングパーティー当日
オーナーは櫻井さんが今日１日サポートしてくれる
おかげで私は朝からパーティーに合わせ自分の支度に専念できた
会場までの車も手配済み
迎えの車から降りると開いた後部座席のドアに合わせて差し出された手
小山「お疲れ様でした」
このパーティーにあわせイギリスにきてくれた小山さんが今日１日私のサポートをしてくれる
「小山さん、お久しぶりです」
二宮さんの右腕でもある櫻井さんや小山さんを今日１日と思うと申し訳なく
それを二宮さんにいうとうとビジネスだからって
それにしたって至れり尽くせり過ぎて
小山「お久しぶりです、ドレスとてもよくお似合いです」
「ありがとうございます、小山さん……ですよね？」(笑)
小山さんが選んでくれたであろうドレス
小山「社長の要望に尽くしたものですよ」(笑)
いったい二宮さんが小山さんに何と要望してこれになったのかが気になるけど
そこは小山さんも答えにくいだろうし聞かないでおいた
有難い事に挨拶は全て小山さんのフォローで私は笑顔だけで事足りた
小山「少し休憩しましょうか、何か飲み物をもらってきますね」
「すみません」
慣れない場所に溜め息をつき
改めて会場を見渡した
会場内はさながら美術館
内装は宮殿のような作りで色々な場所に絵画や調度品が展示され
ヨーロッパならではな装飾はエレガントで美しい
そしてオーナーがこの日に合わせ仕立てたスーツがディスプレイされていた
いたるところに飾られたキャンドルと花達が幻想的な世界を作り出し
華やかだけどどこか哀愁もあるその空間
きっと招待された側なら楽しめたはず
小山「お待たせしました」
シャンパングラスにはピンク色の気泡が綺麗に流れていた
「ありがとうございます…小山さんは飲まないんですか？」
小山さんの手にはきっとミネラルウォーター
小山「僕は運転がありますので」
「すみません、私だけ」
私の言葉に優しく微笑む小山さんの瞳が
小山「気にしないでください」
一瞬見開いたとともに私の後ろの何かをとらえた
櫻井「小山」
小山「室長、何か？」
櫻井さんには珍しく慌てた様子
櫻井「それが………そうだ、Aさん、ちょうどよかった！」
「え？」
櫻井「大野さんがちょっと目をはなした隙にいなくなって、変わりにAさん、いいですか？」
「はい、勿論です」
どうやらオーナーが逃亡中のようだ
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作者名：2-38
| 作成日時：2019年9月22日 9時
