187.新生活←8/20 ページ7
二宮「…それじゃお願いします」
朝早くから引っ越し作業
っといっても引っ越しの荷造りもそんな量もなく大きい家具もほぼ処分してしまうから引っ越し屋さんの作業は直ぐに終わり
二宮さんが引っ越し屋さんの対応も全てやってくれるから私は何もせずでいた
引っ越し屋さんとの最終的な確認が終わると
ガランっとした何もない部屋に二人きり
「何から何まで、すみません」
この部屋にきた頃はこんな未来を想像もしてなかった
二宮「またそうやって直ぐ謝る」(笑)
「すみっ！？…二宮さんっ！！」
ギュッといきなりつままれた鼻に
彼はふざけたように笑う
二宮「ん？」(笑)
でも、全てが優しさに包まれてて
「ありがとうございます」
正解っと私の言葉に微笑むと
二宮「どういたしまして？」(笑)
また悪戯に笑う
歩いていける距離にある私のマンションと彼のマンションだけど
手荷物もあるからとわざわざ車で迎えに来てくれた彼
二宮さんの運転に彼のマンションに着くと
コンシェルジュの方に一通りのセキュリティーの説明をうけ
いよいよ部屋へ
見慣れた…とまではまだまだいかない緊張感のある彼の部屋
ドアの前に立つと
二宮「これがAちゃんのカードキーね、普段はこの液晶パネルにさっき教えた暗証番号を入力、これ使うときはここに入れて音がしたら解錠だからね」
丁寧に説明をしてくれる二宮さん
「はい」
二宮「緊張してる？」(笑)
「物凄く」
二宮「やってみて」
渡されたカードキーではなく
「はい」
液晶パネルに覚えたての暗証番号をゆっくりと入力する
ピーッという電子音が鳴り
解錠された音が聞こえると
二宮「たいへんよくできました」
ドアを開けてくれた二宮さんはニッコリ笑う
二宮「じゃなかった」
何か思い出したように
「え？」
何故か彼はエスコートに開けたドアに自分が先に入ると
「きゃっ」
いきなり手首を引かれ入るとそのままに抱きしめられた身体
ガチャンっと再び背後でドアがしまる音がして
静かになる空気
二宮「お帰り」
彼の声が身体を通して優しく聞こえる
「ただいま」
ギュッと彼の背中にまわした腕
「今日からよろしくお願いいたします」
私のその言葉に何故だかおかしそうに笑う二宮さんは
私の髪を柔らかく撫でると
二宮「ん、よろしく」
至極幸せな甘い瞳に笑うと唇の距離を縮めた
応えるように瞼を閉じるとお約束のように鳴る呼鈴
合った瞳に互いにおかしくて笑う時間がキスより幸せに思えた
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作者名：2-38
| 作成日時：2019年8月8日 7時
