彼のスーツを脱がす時７【NINO】 (ページ2)

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182.スーツの理由←8/10 ページ2

二宮「…………俺の？」

そうなったら彼に着てほしいっと思ったスーツのデザインを具現化したくなるのが職人の性

いや

そんなの言い訳なのかも

二宮さんが着ているその姿をみたいって

でも、勝手にそんな事をして

公私混同もいいところだ

「すみません、いいんです、二宮さんのお洋服とってきますね」

何にも言わない二宮さんにタイミングが悪かった？それとも仕事とプライベートを混同したことに引いた？

言わなきゃよかったって頭が羞恥に悲鳴をあげた時だった

二宮「こらっ」(笑)

笑う彼はゆっくり私の髪を撫でると

「っ！？」

その優しさとは裏腹に痛くない力でオデコを指先に弾く

二宮「何がいいの？」

「それは…」

両頬を掬い上げるように包まれ

重なる額に彼は少しだけ照れたように笑う

二宮「すっげぇ…嬉しいんだけど？」

「え？」

彼の左手の人差し指が

二宮「俺といない間もAちゃんのここに俺がいたんでしょ？」

私のこめかみをトントンっとする

そう

二宮さんで頭はいっぱいで

ある意味彼を想って作ったスーツは捌け口のようにも思える

「…はい」

二宮さんしか考えないでもいいって肯定できる理由

二宮「せっかくだからシャワー借りてから着ていい？」

「はい！」

二宮「じゃぁ…」

視線に彼はラックにかかったそれを見るから

慌ててベッドから出るとカバーにかけたままに

「どうぞ」

彼にそれを渡した

二宮「ありがとう」

丁寧に受け取った彼はバスルームへ

スーツを初めて着た瞬間の二宮さんが見れる事にまた顔がゆるむ

初めて彼に仕立てたスーツは見ることができなかったから

色々な想像にゆるむ頬を手に押さえた時だった

二宮「あと、コレもありがとう」(笑)

バスルームのドアからひょっこり顔を出す二宮さんに息が止まる

「へ？」
　
首もとをグイっと指先にかけてTシャツをさす彼

気づいてたんだ

「いえっあの…」

泊まる約束はしてなかったものの

期待はしないわけはなくて

二宮さんの部屋着にと用意したTシャツ

何だか自分がヤル気満々なようでいたたまれない

昨夜彼がシャワーを使っている間にそれとなく置いておいて

何も言われないから私のものだと思っていたのかと思ったのに

二宮「歯ブラシも？」(笑)

「もう、恥ずかしんで言わないでください」

グイグイっと二宮さんをバスルームに入れドアをしめると

高らかな笑い声が響いて

二宮「お借りします」(笑)

朝から熱で倒れそう