67.カーテンの誘惑 ページ8
生田「おーちゃん？おっかしいな…Aちゃーん」
フィッティングルームのカーテンの隙間から身体をねじり出すように外に出ると
「生田さん、こんにちは」
後ろ手に最小限にあるカーテンをしめた
生田「そんなとこにいたの」(笑)
出していたスマホをポケットにしまった生田さん
「あっえっ…とはい、ちょっと試着室の掃除を」
生田「おーちゃん、迎えにきたんだけど居る？」
「え？…今さっき生田さんのお店に行きましたけど」
入れ違えというか迎えに生田さんが来るのにオーナーは先に出たなんて完全に私のせいだ
生田「マジか」
頭をポリポリっとかきながらまたスマホを出すと手なれた手つきにスマホに指をすべらせた
「電話しましょうか？」
生田「ん？ん〜…何れくらい前？」
お店の掛け時計を見ようと死角になっていた場所から動こうとした瞬間だった
ギュッと後ろ手に掴んだカーテンの手を二宮さんの手が掴む
心臓がはねあがり口から飛び出そうになった
生田「Aちゃん？」
「へっ、あっ…えーっと」
頭が真っ白になる私に
手首から伝わる彼が笑ってるって
だけど
広げられた手のひらに指先が擽るように動いた
…30………ぷん…まえ
と手のひらに書かれた文字
「30分前ぐらいに出て行きました」
生田「ちょっと電話してみる」
「はい」
ゆるゆると彼の人指し指と中指が歩くように私の腕を辿り弄ぶ
一度熱の上がった身体はたったそれだけに火がついたように熱がやどる
生田「もう、うちに着くみたい」
電話が終わったのか私を見て呆れたように笑う生田さん
「そっ、そうなんですね」
生田「お騒がせしました」(笑)
「いえ」
生田「ありがとう、今度また飯いこーね」
「はい」
背中を向けた生田さんにほっとしたのも束の間
生田「あっ！」
ドアに手をかけた生田さんがグルリと振り向いた
「へっ」
なに
なんなの
こちらに向かって歩いてくると
「いっ、生田さんっ」
顔を傾け耳に唇をよせる
フッと笑った息に
生田「シャツのボタンかけ違えてるよ」
心臓が止まった
「えっ」
生田さんのその言葉に胸元を見るとかけ違えになってるボタン
バッと顔を開けると
真っ白な歯に綺麗に笑う生田さんはきっと全てお見通しで
生田「ご馳走さま」(笑)
店を出ていった
へなりと座り込む私に
カーテンがあくと
後ろに私に合わせてしゃがみこんだ二宮さん
二宮「バレてた」(笑)
ってバレるようにボタンをかけ違えたくせに…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2860人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：2-38
| 作成日時：2018年3月21日 17時
