66.意思の壁 ページ7
「…っ………まっ…て」
鏡の上に繋ぎ止められた手に
彼の腕という檻の中にとじこめられる
二宮「ん？」
うなじから這わせた唇は耳の裏にたどり着くと
「んっ」
彼の唇が吸い付くように小さな痛みを残した
二宮「ここなら見えないかな」(笑)
「えっ」
二宮「俺のアト？」
そんなことしておいて悪戯っ子な瞳に鏡越しに合う視線
「二宮さんっ」
真っ赤な顔の私に相反して彼は何処までも余裕な顔
寧ろ弄ばれてるとすら思える
二宮「神聖な職場でごめんね」
なんて謝ってても楽しそうな声に聞こえる
繋ぎ止められた手がほどかれると
無駄がない動きに私のお腹に回った手がウエストからシャツを引き出し
スルリと手が入ってきた
「んんっ」
逃げられないくらいに押さえ込まれるのに
触れる手は優しくて
二宮「いい声」
背後から聞こえる声は甘い
「恥ずかしい…」
二宮「そ？」(笑)
「笑いごとじゃっ…」
急にまたひっくり返され向かい合わせになる身体
心臓が大きくはねあがり
そして無垢な悪戯っ子の瞳が色をかえ
妖艶になる
二宮「もっと恥ずかしいことさせたい」
指先だけにシャツのボタンを
器用に
１つ
だけど焦れったく
２つと外され
「なっ」
小さなキスにとめられた声
二宮「黙って」
冷ややかな舌先が指に割られた唇にゆっくり形をなぞるように動き
肌がざわめく
ゆっくりとさっきのキスを引き出すような感覚に
はしたない気持ちが止めようもなく顔出す
深くまで溺れるようなキスに唇が離れると
彼の右手が私の顎を捕まえ反らされると首筋に濡れたアトを残していく
抑えた声と
抑えきれない息
そして静かなそこには彼の唇から漏れる淫ら音
崩れ落ちそうになる身体に後ろにある鏡に手をつくと
彼は強かな瞳に息を吐き
私のベストとシャツのボタンを一気にひきあけた
初めて見る二宮さんに戸惑うのに
本能的に動く彼に魅了される
噛みつくように私に彼を教えアトを残していく
登り詰める快楽に我を忘れ彼に虜にされていく
二宮「ごめん」
切羽詰まった刹那的な声に私を上目遣いに見る二宮さん
もう
どうにかなりそう
って思った瞬間だった
生田「すみませーん」
心臓が止まった
思わずあげそうになった声を二宮さんの手が咄嗟に止める
二宮 "お客さん？"
口パクに聞いてくる彼に顔を横にふると
ニヤリと笑う二宮さん
それは何か企んでるようにも見えたけど
私のシャツのボタンをとめてくれた
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作者名：2-38
| 作成日時：2018年3月21日 17時
