彼のスーツを脱がす時 3 【NINO】 (ページ27)

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86.可愛い悪魔←10/5 ページ27

二宮「取り敢えずシャワー浴びておいで？」

ベッドからスッと立ち上がる二宮さん

「えっと……その…」

大事な事だけ全くもって思い出せない頭

初めてではないけど

最後はいつだったか直ぐに思い出せないほどぶりなわけで

二宮「ん？」

彼氏と彼女なわけだから

最後までシテいても

可笑しくはないんだけど

"した"か"してない"かで次の心の準備も変わるわけだし知っておきたかった

「あの…ですね…」

しどろもどろな私にハテナマークな二宮さん

二宮「ああ………何処まで覚えてるの？」(笑)

でも勘のいい彼だからそれは直ぐに気づいたようで可笑しそうに笑う

「何処までって…」

その笑顔があまりにも可愛くて何でかわからないけど自分がふしだらなような気がして顔から火が出そうなくらい熱い

二宮「今の貴女のその姿でも俺にはかなりの毒…ってのが答えかな？」(笑)

ポンポンとされた頭に彼を見上げると

「えっ、じゃ…」

悪戯に笑う瞳

二宮「流石に眠りこんだ人間に襲いかかるほど鬼畜じゃないよ」

眠りこんだ

眠りこんだって…

その最中に

「あ…」

私、最悪だ

二宮「着替えはさせられたけど流石に風呂にはいれられなかったから納得できたなら風呂いってきな」

「すみませんっ」

二宮「何で謝るの」(笑)

やっと二宮さんが私に触れようとしてくれたのに

「いや、その」

二宮「次は期待してるよ」(笑)

「へっ」

二宮「バスルームに案内するからおいで？」

「はい」

差し出された手は温かくて

昨日の記憶にこの指先が魔法使いのように私を赤いサテンのロープで繋いだとは思えない

ベッドから立ち上がるとパンツが見えそうでシャツの裾をグイっと引っ張ると

二宮さんは視線を天井に向けた

「すっ、すみません」

二宮「今日、Aちゃんが仕事じゃなかったら今すぐにでも昨日の続きをしたのに」

唇を拗ねたように尖らせ一人言のようにそんな事を言う彼

二宮「これ以上俺をいじめないでよね」(笑)

可愛いって思わず出そうになった言葉を飲み込むと

「以後気をつけます」(笑)

バスルームまで案内してもらった

二宮さんの寝室から上がってきた階段から逆向かいにあるバスルームは

ホテルのようだった

二宮「自由に使って…タオルはそこね…あと着替えは後で用意しておくから」

一通りの説明をすると

「ありがとうございます」

"ごゆっくり"っと唇の動きだけで言葉を残して彼は出て行った