83.アイシテル←10/3 ページ24
正直
彼が言う
"Bondage"っというものが何なのかわからない
それでも彼に拒まれ距離をおかれるより私には数百倍も良いことなのは間違いないと思った
ベッドにゆっくり上がる彼は
前に座ると私の顎を指先にあげ
伏し目がちに見る
初めて見る二宮さん…
それは支配的と言えばいいのか
彼には何も逆らえない視線だった
一度目は柔らかく撫でるような口づけ
だけど私の唇からは熱を帯びた息がこらえようもなく漏れた
「んっ…」
再び重なった唇は深く重なり
今まで何度かした彼とのキスとは全く違うものだった
片手に後頭部を押さえ込まれ
もう片方の手には腰を引き寄せられる
口内は一気に入り込んできた彼の舌に浸食され
逃げる隙間なんてないように簡単に捕まえられた舌は彼の柔らかな舌に絡めとられた
彼の舌だけに脱力する身体
しがみつくように二宮さんのシャツをギュッとすると
舌への愛撫がほどかれ
歯列をなぞり上唇に尖らせた唇で口づけ
濡れた下唇を拭うように食むと私の唇を解放してくれた
フッと柔らかく吐くように笑う二宮さん
「っ…」
キスに眩暈を起こしているのか
その笑顔に眩暈がするのか
…クラクラする
二宮「まだ始めてもないけど大丈夫？」
「多分…大丈夫です」
二宮「そ？(笑)………それなら、１つ」
するりと意味深に指に絡めた赤いサテンのロープ
二宮「セーフワードを決めよう」
鼓動が１段階上がるのがわかった
「セーフワード？」
二宮「"いや"や"駄目"ってのそういうときの上等文句でしょ？」
綺麗に持ち上がる口角がどうにも魅惑的で意地悪く笑う瞳に熱が上がる
「確かに」
絡めたらロープを見下げる彼は何かを考えていた
二宮「何がいいかな…」
顎を指先にさすりながら考える彼は
何かを思い付いたのか嬉しそうに笑った
二宮「"アイシテル"」
これからするであろう事とは裏腹に
「えっ！？」
二宮「ストップかけられる変わりなんだからそれを上回る得が俺にもないと」(笑)
彼はそんな可愛い事を言って私を惑わせる
「わかりました」
私が笑うとフッとほっとしたように笑う二宮さん
次の瞬間彼は優しい笑顔から妖艶で魅惑的な視線に私を見つめた
怖い…
それはこの瞬間を怖いと思わない自分にだ
そして彼の魅惑的なものは
きっと生まれ持った罠のようなものだと思えた
二宮「手を出して」
強かな甘い低い声
蜜色の瞳
「はい」
私は"二宮和也"という最大の甘い罠に堕ちる
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作者名：2-38
| 作成日時：2018年3月21日 17時
