76.再来←9/26 ページ17
二宮「どうぞ？」(笑)
初めてここに来たのはまだ彼と知り合って間もない時だった
素っぴんに近くのコンビニに行った時にたまたま会って
「お邪魔します」
一緒に飲まない？って…
あの時も私なりの覚悟はあったわけだけど
二宮さんは紳士的だった
恋人でもない女性とそういう事はしない人って寂しい反面好感はもてた
二人の関係は変わっても全くもってあの日の私から成長していない私を見て彼は笑ってるんだと思う
でも
どうやったらこの心拍数を下げれるのかわからない
二宮「どうする？何か飲む？」
キッチンから声をかける彼すら見れなくて
ただ窓から見える夜景を見るふりをして平然を装うのがやっと
「お構い無く…」
彼の手間にならないようにと断りかけた言葉
待って
飲まないってなったら沈黙にたえられない
「やっぱりいただきます！」
勢いよくふりかえると冷蔵庫の前にいる二宮さんは
二宮「了解」(笑)
可笑しそうに笑って冷蔵庫から何かを手にすると
キッチンから出てきた
二宮「あまり用意がないから貰い物だけどいい？」
お洒落な小さな瓶を栓抜きで蓋を開けると気泡が抜ける音が部屋に響く
「ありがとうございます」
お洒落なラベル
ドイツ語はあまりわからないけどビールってことたけはわかった
手におさまる瓶ビールを貰うと
二宮さんは自分のぶんを口にしながらソファーに座る
二宮「座らないの？」
「すみません」
いそいそと彼のもとに行くと自分では絶対に選ばないであろう真っ白なソファーに浅く腰をかけた
私の馬鹿
変な距離感にますます気まづい
彼は膝に肘をついて手にのせた顎にかしげると上目遣いに私を見た
二宮「明日は何時に送っていけばいい？」
「明日！？」
二宮「泊まってかない？」
ド直球な言葉にもう頭はパニック
「いやっ…その、あの」
こんな時大人の女性なら
こんな時今までの二宮さんの彼女ならどう答えたんだろうか
スッと立ち上がる彼に心臓が跳ね上がる
手にあるビール瓶をギュッと掴みそれしか見れないでいると
二宮「Aちゃんゲーム好き？」
彼はテーブルに自分の瓶を置くとリモコンを手にした
「へっ？」
間抜けな声
二宮「ん？」
ゲーム
「ゲーム…ゲームはあまり縁がないというか」
二宮「なら教えてあげるから一緒にやろ」
拍子抜けした私に彼はニッコリ笑う
二宮「どうかした？」
「いえっ、教えてください」
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作者名：2-38
| 作成日時：2018年3月21日 17時
