彼のスーツを脱がす時 3 【NINO】 (ページ2)

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61.アイスクリームパラダイスページ2

「二宮さん？」

何がおこるか全くわからない私に

二宮「スイーツタイムといきましょうか」(笑)

楽しそうに笑う二宮さん

「え？」

二宮「お願いします」

入ってきた2人に声をかけると部屋にあるキッチンスペースにワゴンが入っていく

てきぱきと支度される様子をただ見る私

あっという間に出来たその場所は

『お好きなフレーバーがあれば』

小さなアイスクリームショップのようだった

「えっ！？えっ！！嘘っ」

後退る私に手招きする二宮さん

二宮「Aちゃん、ほら、おいで」

ガラスケースの中にはきちんとフレーバー名まで書かれていて

「…信じられない」

二宮「俺もまさかここまでしてくれるとは思ってなかった」(笑)

してやったりな彼のサプライズにただただ驚くことしか出来ない私

二宮「好きなの選んで？」

「えっ？二宮さんは」

二宮「レディーファーストでしょ？ちょっと仕事の電話を1本したいからゆっくり選んで？」(笑)

そう言ってスマホを手にすると今度は部屋の外じゃなくソファーの方へ行く彼

もしかしてさっき電話だと部屋を出た時にこれを？

「はい」

電話を始めた彼に視線をガラスケースに戻す

「どうしよう、どれも美味しそうで…」

アイスクリームの誘惑とこんなことされたことは勿論あるわけもなく

動揺し過ぎて決まらない私に

『ライチのソルベとこちらのバニラはおすすめですよ』

コックコートにパティシエとかかれたネームプレートをつけた男性が優しくリードしてくれた

「それでお願いします」

二宮さんはどうするんだろ

っと振り返ると

ソファーに胡座をかいて座りながら真剣な顔で何かを話してる彼

だけど私の視線に気づくと

優しく目尻にシワをよせ

"俺も"

っと唇だけで教えてくれた

「えっと、それじゃ彼のぶんも」

『畏まりました』

パティシエの男性が調理をしてる間

支度をしていたウェイターさんが私にまた小さなサプライズをくれた

『よろしければご用意してる間こちらでテイスティングもできますので』

小さなシルバーのスプーンには一口サイズのアイスクリームが長方形のお皿に綺麗に並べられていた

「いいんですか！」

どのフレーバーもアイスクリームのように頬が溶け落ちるように美味しい

試食をしながらパティシエの男性の職人的な作業に目が奪われる

それに見いる私の手を不意に彼の手が握りしめ

手にあったスプーンをパクッと食べる二宮さんの横顔に心臓が止まる

二宮「幸せの極みだね」(笑)