彼女のルージュを落とす時１ (ページ2)

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01.イレギュラーページ2

「…………え？」

それは何度経験してもきっと慣れる事はなくて

想定外の事が想定内におきた

二宮「御披露目会ってのに近いのかな」

来週、二宮さんは会社の創立記念パーティーがあって

そこに招待された私

でも、私は二宮さんの会社の人間でもないし

これと言って何かをするわけでもなく出来るわけでもないからお祝いの席と言えど最初はお断りしたけど

櫻井さんもそれに合わせ帰国すると聞いて

それならばイギリスできちんとお礼も言えないままにいたからこの機会にと思い

出席する事にしたわけで…

「御披露目？ですか」

二宮「俺は反対したんだけどね、見世物じゃあるまいし」

キッチンに立つ私の隣にきた二宮さんは

私の頬を柔らかく撫で困った眉に目を潜めた

「お仕事なら仕方がないです」

彼の会社の創立記念パーティー

勿論会社外の方も招待され、全てが二宮さんに関係のある人達なわけで

彼のような人が結婚するともなれば身内だけで済まされるわけもなく

式と披露宴はごく身近な人達と気を使ってくれた二宮さん

二宮「いいの？」

パーティーで簡単に紹介する程度ならば嫌とは言えない

「はい」

二宮「ありがとう」

「どういたしまして？」(笑)

笑う私に彼は安心したように笑ってくれるから

私も幸せでまた笑顔になる

二宮「ところで"奥さん"？」(笑)

撫でた手を頬からおろすと彼は意地悪く右の口角を意地悪くあげ

「まっまだ奥さんははやいですよ」

楽しげに笑う

こういう言い方はどうかと思うけど策士な彼の笑顔にいつも危険信号を出す正しい私の頭とは裏腹に

心は乱されるように身体を疼かす

二宮「確かに」(笑)

夕食のしたく中な私は両手が塞がっていて

後ろからギュっと抱き締める彼を抗う術はない

まとめた髪のうなじに彼が乾いた唇を滑らせ

「にっ、二宮さん…くすぐったい、ですっ」

焦る私を楽しむのをうなじにあたる彼の唇のカタチに感じる

二宮「もう待ちきれない」

「あと少しで出来るので待って…っ！？」

急にひっくり返され向かい合わせになる身体

汚れる事なんて関係ないのか両手を顔よこにあげるように手首を捕まれ

手に持つ皮を剥きかけの桃から果汁が滴る

彼の視線は時間をとめる

「に…のみやさん…汚れちゃいますよ」

見据えるような瞳は私の言葉を追いかけると

柔らかな桃を食べた

たったそれだけのことなのに

二宮「甘っ」

いけないことをしているような感覚に

「………っ」

彼の濡れた唇が艶やかに見える