もう、つかれた ページ42
遺書『悟へ
これを読んでるってことは私は無事死ねたのかな。
なんてね、分かってる。ちゃんと理解してる。
死ねるわけない。私の天与呪縛で死ぬなんて特級の呪霊が
何体発生する異常事態じゃなきゃ無理だよね。
さとる、お前の遺書にだけは思ったことかける気がする。
お前は破って捨てちゃうと思うから。
ずっと死にたかった。
生きるのは辛いし、ご飯の味もみんなと一緒にいても
何をしても楽しめない事が申し訳なかった。
祓除も好きじゃない。任務も嫌い。
呪詛師だとしても、人を殺すのも嫌だった。
誰もいない場所でひっそり暮らしたい。
だから、前教えてくれた
虚式、紫で
わたしをころして』
「…はぁー」
高専時代を含めた今までの色々が溜息になって口から漏れ出た。
ベット傍のローテーブルにその紙切れをたたきつけてコンビニで買った知らないブランドのチョコレートを手に取る。
所々滲んだ文字、躊躇いながら書いたであろうひらがなにやるせない気持ちを力任せに掴んだチョコレートと共に飲み込んだ。
「硝子には消して、僕には殺して…か」
遺書傑へ
これを読んでるってことは私は無事死ねたのかな。
なんて、私を殺せるのは多分悟だけだから死ねても
きっと綺麗な姿ではないんだろうね。
もし私が死ねたら、誰にも見つからない場所に埋めて欲しい
静かで、草木がある森がいい。
死んだら自由になりたい。
けどもし、私が呪霊になったら傑に取り込まれてあげる。
傑が生きてる限り、お腹の中で私も生きててあげるよ。
傑は、人を神聖視しすぎてるからさ私が変なやつ避けてあげる。
あと、本心から好きにはなれないけど、ごっこでも恋人関係は楽しかったよ。
ありがと。
私は未だにこれを捨てられない。たった一枚の紙切れを今日も懐に忍ばせ、【死】以外の全てを叶える。
閉じた瞼から零れ落ちた涙を掬いあげ、浮腫まないよう水で濡らしたタオルを置いた。
「……呪霊になんて、させてたまるか」
君は、人間のまま幸せになるべきだ。
人の営みを知り、幸福を享受し、笑って生きるんだ。
「そのためなら、私はなんだってするよ」
呪霊を発現させ、Aの耳から脳に侵入させる。
この呪霊は味覚障害に陥っていた猿から入手したものだ。脳に影響を及ぼしたせいか、取り込んでも猿はなかなか味覚が戻らず最後には殺してしまったが。
その応用で、脳を刺激する程度に収めれば…
「卑怯だな、私は」
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ゆめ - 好きです!!もう泣きそうになりました泣 続き待ってます (3月31日 12時) (レス) @page47 id: 11bb5a386d (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - 今まで見てきた夢小説の中で一番面白かったです!更新楽しみにしてます!! (2022年9月11日 0時) (レス) @page43 id: 0018f60a50 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - すごい面白いです見てて泣きそう… (2022年4月7日 2時) (レス) @page41 id: fef02b0b38 (このIDを非表示/違反報告)
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