有精卵と無精卵 ページ7
今日から日の登らないうちにランニングをすることにした。
せっかくミッドナイト先生のお力添えを頂けるんだから、頑張らないと。
視界の端でチラつく走行距離測定アプリはまだ八キロしか行ってない。
目指せ十五キロ。全体の筋肉使って走れば筋持久力も体力も上がる。
「はっ、はっ、はっ、はっ…」
五百メートル置きに息を整え、身体中に酸素を行き届けてまた走る。
できれば学校まで走っていきたいけどトレーニングと学業の境目を見失うわけにはいかない。
時刻が六時になった頃、大幅に距離を伸ばして自宅に着く。汗をシャワーで流し、朝食を温めて、テレビアプリを起動していつもの朝を終える。
「行ってきます」
電車に揺られ、ハンドグリップを握りながらヴィランのニュースをチェックする。
今日も出勤途中のオールマイトが何人ものヴィラン逮捕に貢献したらしい。
彼に認められたら、私もきっと─
そんな淡すぎる希望が、信じ続けた夢が私の弱みになるなんてこの時は思いもしなかった。
「それじゃあ、今日も一日お疲れさん。気をつけて帰るんだぞ」
「起立。礼。さようなら」
今日は帰りに用事があるので職員室へ寄らずに校舎を出る。
校門へ向かう途中、見覚えのある後ろ姿を横切った。
性格を表すかのように尖った髪とつりあがった目尻には、よく睨まれたものだ。
触らぬ神に祟りなし。無視しよう。それに彼は私が嫌いだ。この格好で気づいたとしても声をかけては来ないだろう。
「おい、てめぇ、機械頭じゃねーか」
と思ったのに。
挨拶だけ、としょうがなく振りかえる。
「…なんだ、気づいたんだ。久しぶり、かっちゃん」
「その呼び方やめろや。てめぇ、普通科なんだってな」
「それが？あぁ、かっちゃんはヒーロー科だったね。おめでと」
かっちゃんの声は苦手だ。
いつも怒鳴り散らすような言い方で、胸がざわざわする。
何より、私の夢を最初に否定したのは彼だ。
リュックを握る力に力が入る。
こいつの個性だけは欲しいと思わない。
「機械頭！てめぇ、俺の邪魔したらぶっ殺すからな！」
「…普通科とヒーロー科じゃ、邪魔する所か会うことも出来ないでしょ。バッカみたい。もう一緒じゃないんだよ」
あんなこと言っても、許されるのがヒーローの卵なのか。実力主義で尚且つ現実主義のあの学科はさぞ彼にとって生活しやすいだろう。
殻を割って生まれてくることを許されたヒヨコの二人と食べられるだけの私はきっともう、何もかと違うんだ。
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ダンガンロンパは推しを容易に作ってはいけない - すげえめっちゃ好きな感じの小説だあ (2021年8月23日 10時) (
レス) id: 06f475297c (このIDを非表示/違反報告)
ラヴィーチェ(プロフ) - はらさん» 申し訳ありません。私の不注意により不快な思いをさせたことを心からお詫び申し上げます。今後、このようなことが怒らないよう、最新の注意を払います。申し訳ありませんでした (2018年5月16日 8時) (レス) id: 037d8a50b7 (このIDを非表示/違反報告)
ラヴィーチェ(プロフ) - センターさん» 大変申し訳ありません！今すぐ外させていただきます。確認事項を怠った私の責任です。大変申し訳ありませんでした。 (2018年5月16日 8時) (レス) id: 037d8a50b7 (このIDを非表示/違反報告)
センター - 禁止事項とか書いてるくせにオリフラ外し忘れって…そんな事も確認しないで禁止事項とか書かれてもね。 (2018年5月16日 7時) (レス) id: 734660d926 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月16日 6時) (レス) id: b28799338a (このIDを非表示/違反報告)
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