偽りの愛。 (ページ11)

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家へ着くなり彼は寝室へと直行し、荒々しく私の体をベッドへと投げる

そしてその上に覆い被さった
　

「教えてやろか？何で親父の会社を潰したのか？」

「っ…」

やっぱり…

「あなたが、潰したんですね…？どうして？」

言い終わりに、声が震えた

「何で父の会社を倒産に追い込んだの？」

ベッドの上

私を見下ろす彼に問う

「ふっ…邪魔だったんだよ、あの会社が」

彼はそう言うと失笑気味に笑った

「どう言うこと…」

“邪魔”って…

「お前の父親の会社からそう遠くない場所に、うちが新たな事業の開発として建設しようとしているビルがあった」

彼は私を見ながら話し始める

「その近辺の土地は全てうちが買収することが出来たんだが、お前の父親だけは一向に買収に了承しようとしなくてな」

「………」

心臓がバクバク音を立てた

「だから自分から出て行くように仕向けたんだよ。融資を全て断ち切り、倒産までに追い込んで」

彼の言葉に、目尻が熱くなって行く

「っ…そのせいで、父は自殺したんですよ…？」

「あれは俺も予想外だった。まさか会社が潰れたくらいで死ぬとは」

酷い…

この男は、最低な人間だ

自分のせいで一人の人間が死んだと言うのに、懺悔の気持ちが少しでもないのだろうか…

「許せないっ…一生怨んでやるから」

気付けば視界は歪み、頬は大量の涙で濡れていた

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