天使、ブラック本丸立て直すってよ【刀剣乱舞】 (ページ6)

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其の肆ページ6

Aside

清光さんとの和解(？)も出来たところで、さてどうしたものかと離れの部屋で頭を悩ませる。
あの後清光さんの計らいにより離れまで案内してもらって、そして今に至る。
部屋までの道中、清光さんは今までの話をしてくれた。
この本丸の審神者は私で3代目、らしい。

1代目の男は、最初はとてもいい人だったが、周りの審神者がどんどんレアな刀を顕現させる度に、病んでは周りに当たり散らかしたという。
何度も折れた刀もいたが、その1代目とやらは早期に病気で息を引き取ったそうな。

2代目の女は、それはそれは面食いだったらしく。
色んな刀に夜伽を命名しては、自分はたいした手入れもせずに遊び歩いた始末だと言う。
遊び呆けていたところに役人の目が届き、2代目の審神者という職は解雇になったそうな。

そして、3代目に私だそう。

(確かに、こんな仕打ちを受けてきたなら心の傷は計り知れないな)
まずは私はそんな審神者ではなく、あなた達を愛したいだけだと分かってもらうところからだな、と溜息を吐いた時だった。

すぱぁん！と襖が開く。
あ、清光さんかな？と顔を向けたらそこには。

色黒の知らない人が、血まみれで立ち尽くしていた。

？｢……｣
『え゛ッ、大丈夫、ですか？』
私を見下ろしたまま固まるその人に話しかけるも、何も反応が貰えない。
これはもしやまた私の命の危機だろうか、と何故か冷静に考えたその時だった。

？｢…アンタ、霊力あるんだな｣
その男が口を開いて、雪崩落ちるように目の前に腰を下ろす。
？｢夢なら夢で、いい。…俺を、皆を助けてくれないか。｣
息をするのも辛そうなその人は、全てを諦めたような、しかしどこか救いを求めるような目でこちらを見た。

【 …救わない理由などないのに、馬鹿な人】

私の心の奥で、そんな声が聞こえた気がした。