距離感バグってる【佐野真一郎】

◆第2話 ページ3

Aside









「中3でいっしょにフロ入ってて、いっしょにねてんのなんて聞いたことねー。」




マンジローから言われた。


これに答えたのは私ではなく、シンイチローだった。







「俺達にとってはコレが普通なんだよ。」






確かに。

私は思わず、うんうんと首を縦に振った。




私達は思春期に入ってもこの生活を変えようとは思わなかった。


なんていうんだろ。コレをしないとムズムズする感じ。


風呂も寝る事も習慣化してしまっていた。







「そうだなぁ………。私達にとっては別に変な事でもないよ。



わかりやすく言うとマンジローのタオルの変わりがシンイチローってとこ。


無いと寝れないかも。」






「俺はモノかよ!!」





「それよかはよ準備しろや。風呂湧くって言ってんでしょーが。


マンジローは次ね。今日は暑いから先にお風呂入っちゃお。」





「わかったー。」







シンイチローはブツブツ言っているが、マンジローと私が動き出したのでシンイチローも風呂への準備をしていた。



といっても、下着と寝巻きを用意するだけだろうが。




私は先程の言葉を思い出す。






──────変、か。



自分では否定したけど、胸の中にモヤモヤと溜まった。

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