漆話 間違 ページ8
「そーいや、なんで柱でもねぇのに俺ら呼び出されたの？」
団子をモグモグ食べながらシロが尋ねた。
向かいの甘露寺さんにメッ！とでこぴんされてのけぞっている。
食べながら話すからだよ……
額が固いのか、甘露寺さんが手加減をしたのかシロは痛そうに額をさするだけだった。
そんな茶番を見ながら伊黒さんが答える。
「何を言っている。お前らはとっくに柱だ。お前らが認めていないだけでな。そもそもお館様に任じられた時点で自覚を持ち……」
「あーうんうんワカッタワカッタ」
団子を飲み込んだシロが長くなりそうな伊黒さんの話を遮って手を鳴らす。
伊黒さんは不満げにしていたが素直に口を閉ざした。
うーわ、本当に二人は柱のみなさんに気に入られてるんだな……
Aさんから教えてもらったことを思い出しながらしみじみと思っていると善逸がヒソヒソと聞いてくる。
「なっ、何あのこ！怖そうなねちねちしてる人を黙らせちゃったよ？！怖い！」
「…………聞こえてる」
すぱんっ！といつの間にか忍び寄っていた黒百合が善逸の頭を叩く。
いい音だ。
「いったぁ？！」
「……小芭内よりまし。っていうかバレて、る」
はっと伊黒さんを見るとこちらをジロリと睨み付けている。
口撃されてないぶんマシなんだろうけどすごい怖い！
「がははー！白いの！確かにうまいな！衣のついたアレには負けるけどな！」
俺達が蛇に睨まれた蛙のように＿＿事実伊黒さんは蛇柱だ＿＿固まっているのをよそに伊之助は嬉しそうにシロに告げた。
何故か一緒に固まっていたAさんが硬直をとき、目を輝かせて言った。
「よかった！それ作ったの私なんだ！追加持ってくるね！」
そのままパタパタと廊下を走っていった。
「……だってよ、良かったな猪野郎」
「俺は嘴平伊之助だぜ！山の王だ！」
「そーか。すげぇな、俺は百鬼千白だ。シロで良いぜ」
しれっと名前を言いつつ山の王という部分を流すシロ。
ほんとに扱いが上手いな……
「おう、梨千広だな！」
……案の定間違えられてるけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まっころん x他1人 | 作成日時：2019年8月31日 11時
