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弐話 自己紹介 ページ3

「さて、教育係の説明をするぜ!」
「おー!」
「……おー?」
「むー!」
ここは山奥。月夜なので禰豆子も箱から出て一緒に話を聞く体制だ。
……これを善逸が見たらどうなるだろうか。
俺が関係の無い事を考えている最中にも話は進む。
「……それより。もう一度自己紹介を、する、べき」
相変わらず途切れ途切れの言葉で黒百合が意見を言う。
うん、確かに。結局何歳か聞いてないからな……
「そっか?じゃあ改めて俺は百鬼千白(ちあき)!シロって呼んでくれ。十二歳だ!えぇと、好きなことは寝る事と料理、絵を描くこと!」
「じゅ、十二?!」
「あぁ!」
嘘だ!いや、嘘じゃないのはわかるけど!
次は私と言うように黒百合が今度は自分で口を開く。
「百鬼黒百合。普通に黒百合と呼んで。十三。好きな、こと?は…読書」
それきり口をつぐみ、話す気が無いと言うようにうつむいた。
て言うか、十三……この姉弟二人とも言ってた通り俺より年下……
「俺は竈門炭治郎!15歳で、こっちは妹の禰豆子。14歳だ」
「知ってた!」
「……」
シロは騒がしく、黒百合は静かに俺の自己紹介に応えた。
「……で、教育係の事だけど。ハッキリ、言って君は、弱い。だから教育係が、つけられる事、に、なった」
「悪いな炭治郎。伸び代があるって言いてぇんだよ」
「……勝手な、解釈は控えて。調子に、乗られては困る」
なんとなく関係がわかった。
言葉が足りず、ズバリと言い過ぎる黒百合、それを補うシロのお喋り。
シロのお喋りをたしなめる黒百合。
と、いうような。
ハッキリ言って自分が弱いのは知っている。
禰豆子に助けてもらって生き延びていることも。
「……あ、すまない。言い、過ぎた。その、つまり、えぇと」
黙りこんだ俺が傷ついたと思ったのか黒百合が慌ててどもっている。
「姉ちゃん…どもりすぎだろ……焦ったらすぐにそうなる」
「うるさい」
「何でそれだけは言うの早いんだよ」
「それはシロがうるさいから」
徐々に喧嘩に発展しそうだったじゃれあいを大声で遮る。
「べ、別に気にしてないから!俺が弱いのは事実だし……」
「……それでも、すまなかった。悪癖だと自覚している、のだけど、なかなか直せ、ない」
「良い奴だな〜逆上する奴ばっかなのに。姉ちゃんの言葉っ足らず、多目に見てやってくれ」
二人に頭を下げられたじたじになる。
「もちろん!そ、そうだ、結局教育係って何をするんだ?」
改めて尋ねると、顔を見合わせて忘れてたと呟いて咳払いをした。
「……今から、説明、する」

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作者名:まっころん x他1人 | 作成日時:2019年8月31日 11時

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