捕まってしまったらしい

捕まる 2 ページ3

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「………ん」


目を開けると、そこは天国でも地獄でもなく、白い天井が広がっていた


「あ、起きた？」

「！？」


いきなり声をかけらればっと隣を見ると、そこには赤いメガネをかけた茶髪の男がいた


「怖がらなくていいよ？あ、まふ呼んできた方がいいのかな」


ちょっと待っててね、と男は部屋を出ていった

…別に怖がってなんかねぇけど。

部屋をぐるりと見渡すと出入口は今男が出ていった扉ひとつ


「…あ、手錠…それに足枷も」


__ガチャ


「起きたんだ、おはよう。気分はどう？」


そう言って部屋に入ってきたのは昨日の白髪の男


「………殺 すんじゃないのかよ」

「いやいや、そんなわけないでしょ」

「だってお前ら警察だろ？俺みたいな吸血鬼、殺 そうとしてたんじゃ…」

「あはは、そんなわけないよ。大事な人材なのに」

「は？」

「俺たちはねDer Teufulっていう組織なんだ

マフィアなの。君の噂を聞いて、仲間にしたいな〜って思って」


答え聞かせてもらえる？と首を傾げて問うてくる白髪。

警察ではない。俺のことを殺 す気もない
ならこいつらと一緒にいる意味もない


「いや、ならねぇし。話は終わり？じゃあ俺行くから。殺 してくれると思ったから来たんだよ」

「…人間は嫌い？憎い？関わりたくない？」

「当然」

「ふふ、面白いね」

「は、何が？」

「人間とは関わりたくないくせに、人間に殺 してもらおうだなんて。ちょっと勝手なんじゃないの？」


くすくす、と笑いながらいうそいつにいらいらとするが、確かにそうだ。何も言い返せない


「まあ出ていきたいなら行っていいけど、僕、手錠と足枷の鍵あげないよ？行くなら力づくで壊していきなよ」


吸血鬼は人間の何倍もの力を持っている
当然、こんなもの……


「…こん、なっものっ……」

「やっぱり、お腹空いてちゃ力は発揮できないんでしょ

血が欲しい？少なくともそこら辺にいる人よりは美味しいって自信あるよ

まあ、あげる代わりに組織に入ってもらうけど」

「……あんたらの仲間になんてならない

だったらここで野垂れ死にした方がマシだ」

「そっか。それ、いつまで言えるか見ものだね

行こ、天月くん」


バタン、ガチャと鍵が閉まる音がして、俺はベッドに寝転がる


匂いでわかる。あの白髪も黒髪も茶髪もすごく血の美味そうな匂いがした

ぐう、と腹のなる音がする。

死ねるまで、あと何日なのだろうか



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