149話 ページ6
A)いただきます
パクリと馴染みのハンバーグを口にする
味はもちろんうちの家と同じだけど
A)…先輩が作るハンバーグが1番美味しいです
宮)そうかな?ありがとう
宮)でも言われてみれば確かに普段より丁寧に心を込めて作ったよ
A)私のために、ですか?
宮)もちろん
A)嬉しいです
ニッっと口角をあげてもう一口食べる
宮)観月さんへの恋心をたくさん込めて作ったんだ
A)?!、ゲホゲホッ
思わぬ言葉に思いっきり咳き込む
宮)あれ口に合わなかったかな?←
A)い、いやそうではなくって
フフッっと高貴に笑う先輩
絶対わかってて言った←
宮)観月さんって人を振り回すのが得意だよね
A)えっ←
宮)もちろんいい意味でだよ
A)は、はぁ、
宮)初めて会った時から君のペースに引き込まれた
宮)急にいなくなって迷子になったり、ね
A)その件は本当に申し訳ないです←
宮)いいんだよ、そのおかげで君が素敵な人だって気づけたんだから
A)えっ、素敵ですかね入学初日で迷子になるような私は←
宮)うーん、その事件で君が気にかかるようになったって言った方が正確かな
宮)何か行事があるたび「また迷子にならないかな」とか「何か変なことに巻き込まれてないかな」とかね
宮)まぁ俺は生徒会だから何があってもわかるから直ぐ助けに行けるんだけどね
確かに宮舘先輩は困っている時や1人じゃどうにもできない時に出現率が高い←
とってもありがたい←
宮)そんなこと考えてるうちに特別なことがない"普通の日"にも君のことが頭から離れなくなったんだ
宮)あぁ、俺は観月さんが好きなんだってね
宮)君といると何かと色んなことが起きるけど、そんな君だからこそ、そばにいたいし守りたい
宮)俺に貴女を守らせてくれませんか?何が起きても必ず貴女を笑顔にします
左手をすくわれ
薬指に落ちた先輩の唇
宮)返事はいつでも大丈夫です、俺はずっと貴女だけを見てますから
顔に熱が集まりなんと言っていいかもわからず口をパクパクさせる
宮)フフッ、じゃあ昼ごはん食べよっか
箸を持った先輩は私の食べ途中のハンバーグを1口サイズに分け口に運んだのだった
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作者名:白蛇 | 作成日時:2021年6月25日 22時