検索窓
今日:56 hit、昨日:35 hit、合計:233,025 hit

138 ページ49

降谷零side




「長かった」



この組織を壊滅させるまで、本当に長かった。

どうしても見に来たかったんだ。
この組織の最後くらい見なきゃ、僕が今までやってきた意味を確かなものにできないと思ったから。



結果、涙が一粒流れた。
いろんなことを思い出したからだ。
潜入してから数年の間、たくさんの仲間が命を落とした。

景光、伊達、松田、萩原、宮野先生。

今までのことが鮮明に込み上げてくる。



「安室さん…なぜここに…」



「安室くん。怪我をしたとは聞いてたがこりゃなんだ?」



目暮警部や毛利先生の声は聞こえていたが、反応できなかった。それだけ感傷的になっていたのだと思う。



「…そっとしておいてください。

彼は、今。最後を見届けているのですから」




そう風見が念押しすると、その場は静かになった。




「安室さん」



僕の涙に気づいたのかコナンくんが声をかけてくる。



「長かったんだ。本当に、長かったんだよ」




「安室さん!!」

「降谷さん!」



おい風見、そこで本名叫んじゃダメだろ。
そう叱る気力はもうない。
足に力が入らなくなり、倒れかけたところを赤井が支えた。


…正直言って癪だ。



「離せ…」



「そんな怪我だらけでよく来れたものだな」



バカにしてるのかこいつは。



「うるさい…」



「スコッチも、見ているよ。この終わりを」



_____あぁ、そうだといいな。



「風見、この件の後処理をするぞ。すぐ庁内に戻れ。
僕も病室で仕事をする」



「はっ…しかし降谷さんは休まれた方がよろしいのでは。つい1時間前に目覚めたばかり____」



風見を睨む。



「いえ、わかりました。」



「…我儘を聞いてくれてありがとう。」



「すみません、我々に説明はないのでしょうのうか」



「…もちろん言えるところまではお伝えします。
それについてはまた後日。僕から話しましょう。」



赤井から離れ、自力で車に乗る。




「そうだな。彼の言った通りだ。また後日こちらからも連絡を入れよう。

今日は解散だ」



×月××日。

この日は僕にとって、忘れられない日の一つとなった。

続編へ→←web news



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (177 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1018人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , ジン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しのはら(プロフ) - 明里香さん» また後日直します。わざわざありがとうございました。 (2019年6月15日 20時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 137話にも誤字がありました。「息の根を引き取った」ではなく、「息を引き取った」です。 (2019年6月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 136話に誤字がありました。「本人に入ってない」ではなく、「本人には言ってない」です。 (2019年6月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - ゆーきさん» なぜに笑すきだと言ってもらえるととても嬉しいです!ありがとうございます(^-^) (2019年6月3日 23時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - 明里香さん» 明里香さんたくさんのご指摘ありがとうございます。降谷姉の会えない日々、×されない日々はすぐに直してきますが、囚われの方は更新と一緒に直します。多く間違えててすみません汗 (2019年6月3日 19時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しのはら | 作成日時:2019年5月25日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。