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降谷零side
「長かった」
この組織を壊滅させるまで、本当に長かった。
どうしても見に来たかったんだ。
この組織の最後くらい見なきゃ、僕が今までやってきた意味を確かなものにできないと思ったから。
結果、涙が一粒流れた。
いろんなことを思い出したからだ。
潜入してから数年の間、たくさんの仲間が命を落とした。
景光、伊達、松田、萩原、宮野先生。
今までのことが鮮明に込み上げてくる。
「安室さん…なぜここに…」
「安室くん。怪我をしたとは聞いてたがこりゃなんだ?」
目暮警部や毛利先生の声は聞こえていたが、反応できなかった。それだけ感傷的になっていたのだと思う。
「…そっとしておいてください。
彼は、今。最後を見届けているのですから」
そう風見が念押しすると、その場は静かになった。
「安室さん」
僕の涙に気づいたのかコナンくんが声をかけてくる。
「長かったんだ。本当に、長かったんだよ」
「安室さん!!」
「降谷さん!」
おい風見、そこで本名叫んじゃダメだろ。
そう叱る気力はもうない。
足に力が入らなくなり、倒れかけたところを赤井が支えた。
…正直言って癪だ。
「離せ…」
「そんな怪我だらけでよく来れたものだな」
バカにしてるのかこいつは。
「うるさい…」
「スコッチも、見ているよ。この終わりを」
_____あぁ、そうだといいな。
「風見、この件の後処理をするぞ。すぐ庁内に戻れ。
僕も病室で仕事をする」
「はっ…しかし降谷さんは休まれた方がよろしいのでは。つい1時間前に目覚めたばかり____」
風見を睨む。
「いえ、わかりました。」
「…我儘を聞いてくれてありがとう。」
「すみません、我々に説明はないのでしょうのうか」
「…もちろん言えるところまではお伝えします。
それについてはまた後日。僕から話しましょう。」
赤井から離れ、自力で車に乗る。
「そうだな。彼の言った通りだ。また後日こちらからも連絡を入れよう。
今日は解散だ」
×月××日。
この日は僕にとって、忘れられない日の一つとなった。
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しのはら(プロフ) - 明里香さん» また後日直します。わざわざありがとうございました。 (2019年6月15日 20時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 137話にも誤字がありました。「息の根を引き取った」ではなく、「息を引き取った」です。 (2019年6月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 136話に誤字がありました。「本人に入ってない」ではなく、「本人には言ってない」です。 (2019年6月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - ゆーきさん» なぜに笑すきだと言ってもらえるととても嬉しいです!ありがとうございます(^-^) (2019年6月3日 23時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - 明里香さん» 明里香さんたくさんのご指摘ありがとうございます。降谷姉の会えない日々、×されない日々はすぐに直してきますが、囚われの方は更新と一緒に直します。多く間違えててすみません汗 (2019年6月3日 19時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しのはら | 作成日時:2019年5月25日 7時