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ちょっと、まって。
私、銃口を向けられてる。しかも頭部に。
「ジン…」
「お前は俺のものだ。それに変わりはねぇ。
お前の心の中に俺以外は必要ねぇんだよ」
無茶苦茶だ。ジンも困惑してるようだった。さっきまで自分に執着していた女がいきなり記憶戻して別の男の心配をしてるんだから、まぁそりゃそうなるだろうけど。
「ごめんなさい。ジン、本当に私は______」
貴方を惑わしてしまった。
「………もういい。
お前が生きていようが死んでいようが関係ない。
どのみちすきな女の末路は見ておきたいだろ?お前も…俺もなッ!!」
この時初めて死を予測した。
あ、死ぬな、と冷静に考えた。
パァン
「クッ…!誰だ!!」
…狙撃?
一体どこから…?
するとエンジン音が聞こえる。
「お姉さん!!乗って!!!」
「!?
こ、なん…くん!?」
「安室さんも乗せて、早く!」
「う、うん!!」
零くんを出来るだけ動かさないよう1人で抱え、車に運ぶ。
ジンは数発肩や腹に弾丸を放たれたらしく、そこで倒れていた。
胸がキュッと締まった。
「……ジン、今までありがとう。
さようなら______」
貴方を助けることはできない。
ここで助けたら全てが振り出しに戻ることになる。
だから、さよなら。
______
ジンside
痛む身体を抑え、あの部屋に戻る。あの女は結局記憶を取り戻し、謎の車に乗って去っていった。
バーボンをつれて。
「……」
あいつがいなくなった部屋に帰る。
窓が開いていて、ジメジメとした空気だったが、どこか物寂しく感じた。
「…ふぅ」
ベランダで一服する。
ウォッカをさっき呼んだからなんとか銃弾などは処理してくれるだろう。
早くここも移動しなければ。色々と思い出深いが仕方ない。
だが、俺はお前に、伝えたかったことがあった。
「愛してた」
これは嘘偽りではない。あいつの優しさは殺しの世界には存在しない暖かなものだった。
1ヶ月、平和ボケしていたものだ。
いつかまた、お前が落ちることを俺は願う。
吐いた煙は空に溶けていった。
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しのはら(プロフ) - 明里香さん» また後日直します。わざわざありがとうございました。 (2019年6月15日 20時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 137話にも誤字がありました。「息の根を引き取った」ではなく、「息を引き取った」です。 (2019年6月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 136話に誤字がありました。「本人に入ってない」ではなく、「本人には言ってない」です。 (2019年6月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - ゆーきさん» なぜに笑すきだと言ってもらえるととても嬉しいです!ありがとうございます(^-^) (2019年6月3日 23時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - 明里香さん» 明里香さんたくさんのご指摘ありがとうございます。降谷姉の会えない日々、×されない日々はすぐに直してきますが、囚われの方は更新と一緒に直します。多く間違えててすみません汗 (2019年6月3日 19時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しのはら | 作成日時:2019年5月25日 7時