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すごく泣きたい気分だった。
オーナーを捕らえ、現場を見ると姉さんがいなかったことに気づいた僕はすぐさま隠し場所として優れている所を探した。
途中姉さんの悲鳴が上がったのもあって、早急に見つけられたことはよかった。
だが、目の前の光景に絶句した。
見知らぬ男に迫られる姉さん。
「_____________何をしている」
頭より先に体が動いた。
拳銃を手が抜き、腕が相手の頭へと向かっていた。
当然犯人は怯んだ。そこを狙って足元に威圧のつもりで2、3発撃ち、腹に渾身の拳を入れ気絶させる。
恐ろしいほど静かな一瞬だった。
「れー…くん」
その言葉に少しだけ肩が上がった。
やっぱり、気づいてたか。
ポアロに来たあの日から薄々感じてはいたけど、思った以上に早いな。
でも振り向くわけにはいかない。
「零くん」
"安室透"と"バーボン"に姉さんを関わらせてはいけない。特にバーボンはダメだ。命を狙われる。僕のせいで姉さんが死ぬなんてことあってはならない!
ごめん、と心の中で言ったその時、
「零くん!!!!!」
姉さんが後ろにしがみついた。
「___っ!」
一気に思いがこみ上げた。振り向いて「ごめん、久しぶり」と言いたかった。
でも許されない。それをしたら僕は___
この世で最も大切な姉さんを失ってしまう気がした。
そして姉さんは語り出した。
『何も言わなくていい。助けてくれてありがとう___生きててくれてありがとう。
またね』
涙が出そうだった。
僕の身近な昔から変わらない人。どこまでも優しく、お人好しで、普通恥ずかしがるような褒め言葉も簡単に言えてしまう人。
一歩踏み出す。
背後にいる姉さんに「僕からも、また」と呟いてその場を後にした。
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明里香(プロフ) - 17話に誤字がありました。「ぶつかったみますたいで」ではなく、「ぶつかったみたいで」です。 (2019年6月3日 13時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 9話に名前変換出来ていない箇所がありました。 (2019年6月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - しのはらさん» え?え?何か……警察組が……!! 続き頑張って下さい。 (2019年4月28日 20時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» 貴方のコメントを返信したあと「それもいいんじゃないか…?」と思い急遽変えさせていただきました!ありがとうございました! (2019年4月28日 7時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» 回想など降谷零sideでは出ると思います。ありがとうございます! (2019年4月27日 21時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しのはら | 作成日時:2019年4月6日 22時