遠い昔の婚姻届【文スト】

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「君は15歳のあの日…
4年前の出来事を覚えているかい？

きっと君の最後の記憶」



……お兄ちゃんが泣いていた。

爆発音がして外に出たら…



「覚えてます」



マグカップを持つ手が震えた。
私だけが逃げた。

見殺しにしたも同然のことを私はしたのだ。



「あの後、君は1年ほどポートマフィアの監視下に置かれた。

私はすでに地下に潜ってマフィアから失踪していたんだ」



つまり、太宰さんが失踪するのと同時に私はマフィアの監視下に置かれたってこと？



「じゃあどこで、どこで私と太宰さんは」



婚姻届を、書いたの？



「…君の記憶が消えたのはきっと織田作たちへの罪悪感と悲壮感。

大切な家族を二度も失ったその辛さからきたものだ。



記憶の抜けたAちゃんは、人形のように喋らなくなってしまった」



人形のようにって…



「私はAちゃんが心配でこっそりマフィアの地下に潜っていたことがある。

その時もAちゃんは少しも動かずにいた。

私はこのままではいけないと直感で感じたんだ」



所謂私は植物状態のようなものになっていたのかな。

だったら記憶がない理由がわかる。



「Aちゃんを救おう、そう決めた」



太宰さんは私の手をとった。

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