遠い昔の婚姻届【文スト】

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「太宰さんが知ってること全てを話してください」



「全てと言われてもねぇ…」



太宰は困ったように苦笑した。
どっから説明すればいいのかわからないのだ。

…最初からでいいのに。




「何分何時間かかってもいいんです。

教えてくだい。

私はなぜ貴方と婚姻届を書いたのか…その結論まで全て」



私は真剣に問う。
ここまで自分で考えて違和感がある。
婚姻届を書いた記憶が一つもないし、書くような機会もない。

でも、それを太宰さんが持ってるということは過去にあったこともあり、尚且つ知っているということ。
聞くしかない。



「私が知ってることを話そう。

君の名前はA。それは知ってるね？」



「…もちろんです。

でも苗字が…」



「君の苗字は森だよ。

森A。それが君の本名だ」



「……はい？」



森？

どっかで聞いたことある…
よくよく考えると、



「…ポートマフィアの、首領？」



「そう、君は6年前に親を亡くし、15歳まで森さんの養子として育てられた。

ある男とその子供たちによってね」



「嘘…」



衝撃すぎて声が出ない。
だってまさか…そんな。

私がポートマフィアの首領と関わりがあるなんて思ってもなかった。



「とある男って…」

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