転生したら金持ちのご令嬢で隣人が中也さんだった話。

嘘だ ページ6

「文ストが、無かった」


こんなショックあるか？ないだろ。
他にも僕のヒー○ーアカデミアとか名探偵○ナンとか…

私の知ってる漫画がなかった。



悲しい、悲しい。

やっとの思いで…19年ぶりの本屋だったのに…



「…お母さん…お父さん…」



あの2人は生きてるだろうか。
あの火事で死んじゃってない…よね？

今更泣けてくる。
なんで、なんのために今までこんな勉強して武道も一人前になったんだ。

一言で言うなら、自由に生きるために決まってる。

こんなんなら転生なんてしたくなかった。
こんな高い部屋に住まなくてもいいし、高いお洋服なんて欲しくない。
みんなとショッピングして選んだ服を着て、友達と出かけて、普通の一軒家で集まって喋ってゲームしたかった。


「あぁぁぁ！やだ！！こんな世界いたくない！！」


全力でそう叫んだ。



「死にたい！！！しーにーたーい！！！」



どうせ1人だ。なに言ってもいいだろう。



「辛い！！つまんない！退屈！！神様のバカァぁぁぁ！！」



ドンドンドン！



え…？
なんかドアめっちゃ叩かれてる…？



「おい！大丈夫か！？」



この声…聞いたことある。

嘘、嘘だ。



私は恐る恐るドアを開け、目の前の人物に吃驚した。



「えっと………」


「嗚呼やっとでてきたな。大丈夫か？すげェ叫び声が聞こえてきたんだが…」



心配そうに私に話しかける彼は、









あの文ストの中原中也でした。

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