柿原先生がいる訳

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「んで？山城先生とはどのようなご関係で？」

お酒の席では先輩の話に付き合わされた

内科の先輩と俺とふたりで飲むBARでのお酒は微妙な味だった


「…Aとはただの同じ大学ですよ」

「嘘つけー」

面倒臭いな

お酒を飲みながら完璧自分より酔ってる先輩のことをそう思う

窓の外の景色は建物の明かりしかない

そういえばAはお酒飲まなかったな

少しの時しかいなかったけど案外覚えてる


「山城先生はさぁガードがかたーいって皆が言ってるんだ」

「へぇー、あいつが」

「柿原ー、お前まさか好きなのか？Aさんのこと」


その言葉を聞いて自分は先輩のお酒をとっていた


「ふぇ？柿原？」

「好きで何が悪いんですかね？先輩」

咄嗟に出た言葉はまるで自分が片思いみたいじゃないか


先輩は驚いてこっちを見ていた

そりゃあ

未練がないといえば嘘になる


あるよ



「Aは気づいてませんがね。」


別れても好きというのは間違ってるのか

内心そうは思ってる

と言っても無理か



「でも無理に等しいですよ。
だって


俺から別れたんですから」



好きになったのも俺

突き放したのも俺


目の前にある自分のお酒を飲む


一緒の病院になったのは奇跡


俺が気にしてたのも当たり前


向こうが俺のこと何も思ってないのも当たり前



「嫉妬深くて未練たらたらなんですよ。俺は

だから、院内でAの事好きな人がいても

譲る気はありません」


そう言うと先輩は驚いていたが落ち着いた表情をして言った


「お前も色々あったんだな」

「…まぁ…はい」


案外長い片思いはこれからも続くのかもしれないな



窓の外の明かりがあまりにも悲しく見えて見たくなかった。

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