涙の跡にキスを 2【青】 (ページ9)

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それ眞霜さんだよね

そう聞きたいのに聞けなくて彼の方を見れずにいると頬に手の甲を当ててきた。

「冷た」

「…やっと痺れが取れてきて」

「……寒い？」

少し低い彼の声に頷く

確かにここ寒い

倉庫だし

すると突然スルッとスーツのジャケットの中に彼が手を入れてきた。

「っ、え？」
「…そっか」

何？そっかって

彼は呟くと私の頬に1度キスをする

…どうしたんだ
この人

なんか

「っ、ね、それ」

擽ったいし変な気持ちになる

シャツの中に少し暖かい手が入ってきて私のお腹や背中を撫でる

彼の膝の上から逃れようと彼の手に触れて立ち上がろうとしたら彼が足を組んできて無理だ

「、ねぇ」

「A」

「っ？？」

「俺、Aの言うことしか信じてねぇよ」

「…え？」

「…他の女性に何言われようが浮気はしない主義なんで」

意地悪そうに笑った彼は私の唇を塞ぎ服をグッと上にあげた。

「っ、やめ」

ヒールの低いパンプス
色は紺色

スーツの色も落ち着いていて紺色のストライプが入ったやつ。

寒かったのかタイツ履いていて

マニキュアはしていない

口紅は薄くて…リップかな？色つきの

穴開けるのもなと思いタイツを脱がそうとしたら彼女が俺の手に触れて止めた。

やめろってか

泣きそうな顔な為目元にキスをするとビクッと驚く。

シャツを上にあげるとキャミソールが見えた。

…白だ

しかも綺麗なレースだ。

「っ、渡辺さん」

声がしたので彼女の方を見ると肩からキャミソールではない肩紐が見えた

「…可愛い」

「え、な、なんですか？」

彼女にキスをしてシャツの中にスルッと手を入れるとブラのホックに触れた

「ん、まって」

「A」

「はい？」

「……サボろう」

「え？」

「悪いことしよう」

真面目なこいつに「サボろう」は毒だろう。

黙って俺の方を見る目は困惑と焦りと緊張と色んな感情を読み取れた。

『彼女はこちらで働いていた深澤さんの事が好きなんですよ？
渡辺さんではなくてね』

『それに………ニエベを辞めても私がこことの取引を続けているのですよ？

まるでスパイみたいですよねぇ』

『それにあの子の』

さっきの女性の会話を思い出す。

…Aがどんな奴であろうと手を掴んどけばいい

「…あの」

『貴方はあの子の何を知っているの？』

知らないから知ろうと思う。

「…俺が居るから怖くない」

そう呟いて彼女の返答が出る前に唇を塞いだ。