涙の跡にキスを 2【青】 (ページ3)

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次の日は朝起きてみると彼が寝ていたので1人先に起きて朝ごはんを作った。

本人が起きるまで待とうかな

洗濯物を回して洗濯をし
掃除機はかけないが部屋の中を綺麗にする。

少しして彼が起きてきた。
寝起きな為か少しだけまだ頭がポケーとしている様子だった。

「おはよ」
「おはようございます」

「お前早くね？」
「目が覚めたので色々していました」
「…え？寝れた？」

「……寝れました？」

「その返しは上手く寝れてないんだよ」

顔洗ってくると言って洗面台の方に向かう彼は寝れたのだろうか。

……いや、今まで寝てたのだから寝れてるでしょ

机の上に朝ごはんを並べて私は寝室の方のベッドメイキングを綺麗にする。

なんだろうか動かないと緊張するから止まってられない。

寝室を綺麗にして台所の方へ行こうとドアを開けると彼が壁に寄りかかったまま立っていた。

「、どうしました？」

「ん？お前さ緊張してるでしょ」

「…緊張しますよ」

「ご飯美味しかった。ありがとう」

話が通じないんだが

いつもの彼らしくないと思いびっくりしながらも頷くと彼は私の手首に触れてきた。

…なんか昨日から思うけど全然違う。
仕事の時と違うしなんか…なんかさ

「顔赤」

「っ、貴方がいつもと雰囲気が違うから」

「俺のせいかよ」

一歩近づくと彼はスルッと私の腰に触れて抱き寄せた。

普段着をいつもは見ない
スーツ姿の彼しか見ないし
昨日初めて彼と先に進めた

…普通で居たいのに

彼が傍にいると思うと

「…渡辺さん」

「ん。」

「……好きです」

「…昨日から凄い突拍子もない事言うよね？」

「貴方のせいです」

「そお

俺のせいか」

凄い嬉しそうに呟く彼はクスクスと笑っていた。

今日は良い日だろうな。
社員旅行行った方が良かったのかなとか思ったけど
行かなくて良かったな

彼の新たな一面知れたし

…このまま時が止まればいいのにな。

社員旅行はほんと親睦会って感じだった。

初めて社員旅行行ったな
ニエベもあったけどこんなアットホーム感無かったし。

前を歩く他の社員さん達を眺めながら後ろをついて行くと康二が横にやってきた。

「あっ、佐久間君1人なん？
一緒まわらん？」

「康二も1人？」

「企画課の2人が休みやからさ」

あ、Aさんと翔太居ないのか

隣に来た康二は「悲しいわ」と言いながらもどこか嬉しそう

確かに

彼女には幸せになってもらいたいな。