涙の跡にキスを 2【青】 (ページ11)

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話が違う？

振り向くと彼は私の両頬を片手で掴むとそのまま1度キスをしてドアを開けて出ていった。

…あの人今電話してたよね？

話が違うって私じゃなくて電話の向こう

された行動を思い出すと一気に顔が熱くなる。

……困ったな

話が違う

俺が確認してからだろ

イライラしながら部署に戻り資料を確認していると少ししてあの子が帰ってきた。

「数字抜けてる

あと、もう少し簡潔にまとめろ」

そう資料を渡すと席に戻る後輩

…たっく。いい時に

隣に座った彼女を見ると耳が真っ赤だった

……？
は？なんで真っ赤？

耳を隠そうとしたので手に触れて止める。

「体調悪い？」

そう声をかけるとこっちを見て「酷い」って言いそうな顔をする。

…おっと

「、酷い人」

「は？」

「知らないならいいです。元気です」

俺怒らせたな

…さっきまで触れてたのに「酷い人」ってさ。
パソコンの方を向く彼女を見てふとさっきのことを思い出す。

…電話しながらキスしたな。
耳は離したけど

…あ

「悪かった」

そう呟くと彼女はこっちを見て黙っている。

周りの人にバレないよう口パクで「さっき」と言うと彼女は俺から目を逸らしてしまった。

怒ってんじゃん
…いや、これは俺が悪いか

俺が悪い

……どうやって謝るか

すると手の甲にペタッと付箋を貼られた。

「ん？」

《意地張ってごめんなさい》

……意地

彼女を見ると恥ずかしくなったのか席を立って給湯室の方へと行く。

耳真っ赤

「……チッ」

舌打ちをすると近くにいた後輩が俺の方を見る。

違う無意識に出た。
この舌打ちは

立ち上がり彼女の後を追うと給湯室でコップに水を注ぎ飲んでいた。

俺が入ってきたのを見て驚いているが耳は赤いし

「お前は悪くないだろ。バカ」

コップを棚のところに置くと彼女の方へ向き直った。

「…悪かった。ごめん。

今日…いや、んー

…あの泊まりの日から随分経ったので今日俺ん家来ますか？」

俺から誘うとか過去の自分なら無理だ。
相手からきた方が俺的には楽なのにさ

「え、…でも、服」

「…じゃあ、ホテル？」

「……貴方は何処がいいですか？」

「俺はあんたを今日抱きたい」

似合わない言葉だ

俺には似合わない

それを聞いたあんたは俺の考えとは裏腹に真っ赤になっていく。

…返事を聞きたい

黙って待っていると彼女はこくりと頷いた。

可愛い

早く帰って

触れさせてくれ