お見合い相手の岩本さん 【黄】

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その週は1度も食事をすることはなく

メールもなく


この前の休みあんな事したのが悪かったのかな？と思い始めた。

急に貴方のこと知りたいですとか直球すぎるもんな。


金曜日受付の前を通って帰ろうとしたら岩本さんと鉢合わせた。


営業帰り？かな


「お疲れ様です」

「お疲れ。」


通り過ぎようとした時「あ、」と声が聞こえたので立ち止まると岩本さんも私の横で立ち止まり何かを言いかけていた。


「今週ごめん」

「今週…あ、お昼ですか？大丈夫ですよ。」

「…あのさ、矢笠さんに、話したいことが」

「はい？」


私に？

次の言葉を聞こうとしたその時エレベーターの方から男性の声がした。


「岩本君、待っていたよ」

「ぁ、」


「…東阪専務」

専務？

専務！？


会社の中でも上の人だ


私もお会いすることはない為驚いていると東阪専務は岩本さんの傍に来た。

「ん？君は」

「、企画課の矢笠です」

「おぉ、企画課の。」

東阪専務はそう言うと岩本さんの肩を叩いて少し嬉しそうに話しかけた。


「岩本君、君今からお見合いだろ？
早く行かないとニエベ会社の御令嬢を待たせてしまうよ」


……お見合い？


耳の奥からツーと耳鳴りでもなるのかというぐらい
何も入らない


岩本さんお見合い受けるのか


相手の方はニエベ会社の


…ニエベ会社はここ雪田会社との取引先だ。

私でも聞いたことあるから余程前から取引してる。


耳に何も入らない中話しは進んだのか専務はそのまま外の方へと歩いていった。


「…さん、矢笠さん？」

「っ、あ…失礼しました」


咄嗟に挨拶をして外の方へと歩み始める。


「、待って」


後ろから追っかけてきて左肩に手を置かれた。



「俺は断るつもりだよ。」

「…岩本さん

一個人の意見として聞いて下さい。」


「はい」


「……貴方に見合った人を選んだ方がいいと思います。
こんな平社員よりももっと上？と言いますか。

……専務も勧めるんですよ？
どちらを選ぶべきか営業課課長の貴方なら分かるはずです」


岩本さんの方に体を向けてバッグの紐をグッと掴んで話す。


何も返答がない為待とうかとも考えたが頭の中には「早く」という焦りがでてきた。


「…失礼しました」


彼の手に触れて肩から手を離し急ぎ足で歩く。

外にあと1歩という時後ろから左手を掴まれた。


「矢笠さん」


「ぃ、岩本さんは！
私といるとダメですよ」


この人は知らないんだ


だって

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