174 ページ27
タクシーが来たのでどうにか先輩をタクシーに乗せて見送る。
さぁ、戻るか
戻ろうとしたら後ろから右手を掴まれた。
振り返ると冷たい風に髪が少しだけ揺らめく目黒君が
私の方を優しい目で見つめていた。
「…目黒君？」
「伏本さんの事を何度も何度も忘れようと思っても
今の自分じゃ無理らしいんです」
悲しそうに笑う目黒君
ごめん
ごめんね
「…あの」
「今度デートしませんか？」
「え？」
「……デートしたらもう忘れるので」
デート
ちゃんとハッキリ断らないといけないと分かってる。
ハッキリ気持ちを伝えないから目黒君をもっと苦しめているってわかってる。
でも、もしかしたら
言葉にして伝えたらもっと目黒君を苦しめてしまうかもしれない。
なんて言えばいいのかな
「…それは出来ないよ」
「何でですか？」
「私…付き合ってる人がいるから」
「…深澤さんですよね？」
「俺がどうした？」
……え
下を向いてしまいそうになった時後ろから目黒くんに掴まれている右手に触れる手が見えた。
…なんで
「悪い、目黒君
この子、俺の彼女なんだ」
今までそう言われたことは少ないから驚いてしまった。
目黒君は黙っていたが深澤さんの方を見るとムッとした口調で話した。
「俺の彼女って初めっから堂々と話して下さいよ。
あまりに、彼女を不安にさせてると俺奪っちゃいますよ」
「そうね、確かに。
でもごめん。もう手離せそうにないのよ。
この子のこと」
困った顔で話す深澤さん
目黒君は、ため息をつくとパッと私の手を離し店の中へ戻ろうとしていた。
ちゃんと伝えないと
私は咄嗟に目黒君の腕を掴む
「目黒君
あの、気持ちは嬉しいんですよ。でも、ごめんなさい。
それでも、これからも仲良く…して貰えますか？」
「…伏本さん」
「はい」
怒ってるかな？
返事をすると目黒君は私の鼻をつまんできた。
「！？、ふぁ、はぁに！？」
「優しすぎると悪い男に捕まりますよ」
「ふ、ふぁ！？」
「ははっ、やっぱ、伏本さん面白いですね」
鼻をつまんでいた目黒君だがそう言うと私から離れてお店の中へと戻ってしまった。
なんだったのか
鼻つままれたけど私そんなに面白いのかな？
鼻に触れながら目黒君が戻っていった方を見ていると左耳を引っ張られた。
「っ、痛い」
「俺の彼女はどうも優しすぎるらしいわ」
「深澤さん！」
「でも、そういう所がいい所かな」
フワッと笑う彼
…珍しいな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
AI - 更新楽しみにしています！頑張ってください！応援してます！ (2020年10月29日 21時) (
レス) id: 1840a136e4 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - yuuy0uyuuさん» コメントありがとうございます！更新が遅くなりすみません。諸事情により少しの間だけ更新が遅くなると思いますが頑張っていきますね。カッコよく書けるように更に精進していこうと思います！ (2020年9月13日 2時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - AIさん» コメントありがとうございます！更新が遅くなりすみません。諸事情により更新が遅くなることが多くなると思いますがこれからも頑張っていきたいと思います。そして、いつもコメントありがとうございます。 (2020年9月13日 2時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
yuuy0uyuu(プロフ) - 更新待ってました^_^毎度きゅんきゅんさせてもらってます！頑張ってください！ (2020年9月5日 3時) (レス) id: f7633e6373 (このIDを非表示/違反報告)
AI - 更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年8月30日 21時) (レス) id: 1840a136e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハル春
| 作成日時：2020年8月23日 19時
