君の唇にキスさせて 4【紫】

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24日は仕事だった。

仕事をしている時も彼は何度かお菓子とかを貰っていた。

仕事で話す事は滅多にない。

お昼は食堂で食べようと思い財布と携帯を持って1人で向かっていたら後ろからトントンっと背中を叩かれた。


「？あ」

「おつかれ」

「…あれ？向井先輩や他の」

「今日はAの傍にいたい日なので」

「…深澤さんとのクリスマスって初めてですね」

「付き合っていたのにそんな会わなかったからね。
今日はとことん甘やかしてあげたいのよ」


恥ずかしい事をほんとよく言えるよ。


食堂では定食を選んで2人で向かい合って座ってお話をしたりしてご飯を食べる。

笑ったりして楽しい昼食

目の前に座って楽しそうにお話をしている彼が私の彼氏なんだと思うと自分は恵まれていて夢なんじゃないかと思えてしまう。

こんなにかっこよくて優しくて大人っぽくて、でも少年の心を持っていて

そんな素晴らしい男性が私の恋人


…いい人だからこそ嘘をつくのは苦しい


「A」


話していると彼は私の名前を呼んだ。


「なんですか？」


「今夜さ仕事終わったら俺と出かけない？」

「え？」

「俺さ、ケーキを予約してるんだけど
それを取りに行って。

でも、その前にUFOキャッチャーでAが欲しいぬいぐるみとかゲットしようかなぁとね」


ニコニコして嬉しそう


「え、良いんですか？」

「おう。良いよ」


彼とゲームセンターに行くのは時々あるけど

あの真剣な表情とか好きなんです。


頷くと彼はにっと笑っていた。







仕事を終えると深澤さんの後ろをついて歩く。

「寒いよね？カイロ買う？」

「いいえ。大丈夫ですよ。」

「…まぁ、今日ぐらいしようか」


彼はそう言うと私の右手に触れ指を絡めてきた。

…え


「あの」

「…恥ずかしい？」

「、いえ、えっ、深澤さんは」

「人も多いし迷子にならないように」


恋人繋だ


あまり手も繋がないから心臓がうるさい。

嬉しいな


繋がれた手は深澤さんのコートのポケットの中に入った。

あったかいな



横を歩く彼をちらっと見る。



…彼と一緒に居たい


でも


あの新事業所への話


滅多にない話だというのはわかる。


後々聞いてみたら総務部に配属されるが課長補佐のような仕事になるというのは分かった。


つまり、今よりも忙しい


…自分を成長させるためには必要なのかもしれない



もしも私が行きますと言ったら


深澤さんはどう思うのだろうか。



…どれが正解なのかな。

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