君の唇にキスさせて 4【紫】

182 ページ35

酷いことするわ

ベッドも用意してないのに床に寝させるとかさ


腕枕をしているが隣にいる彼女は眠っている。


…このまま深く抱いてしまおうとか思ったけどあの不安そうな顔を見ると今はこの子の考えを聞かないとって思った。

繊細だな

俺の中じゃ覚悟決めてるから安心していいのに。


プロポーズは何処でしようか
何かいい案ないかな


その時、俺のバッグの方から何か音が聞こえた。
…携帯か

「…ごめんね」


ゆっくりと彼女頭の下にある腕を抜いて彼女から離れ携帯を見ると会社関係のメールが動いていた。


…課長、会議室いつでも押さえること可能なんで言ってくださいねって言ったじゃん。

Aの仕事を皆が少しずつ引き継いだが
今まではこの仕事はあの子が1人でしてたもんな。

そう思うとAの仕事量多いな。

これから働く関西の方では補佐だからもっと忙しいと思うが


課長へメールを打っていると後ろからギシッと音が聞こえた。

振り向くと彼女が俺の後ろに立っていた。


「ごめんね。起こした」

「いいえ。お仕事ですか？」

「まぁね。A、少しだけ荷物片付けるの手伝うからさ軽い物から片付けな？
俺が重いのやるから」


え？と驚いた顔をしたが直ぐに「分かりました」と苦笑しながら微笑んでくれた。


服とかは俺分からないし
やっぱり置く順番とかさあるじゃん


携帯を置いてベッドを置いたりしていると彼女が俺の傍に来て話しかけてきた。


「深澤さん」

「ん？」

「手、触ってもいいですか？」

手？

左手をぱっと見せると彼女は俺の手に触れて何かをしていた。

サラサラした紐でスルッと俺の指に触れる

なんかラッピングか何かの紐かな？リボンの


黙って見ていると俺の薬指にスルッと巻き付ける。


…リボンの色紫だな


キュッと綺麗に結ばれたリボン結び


「指輪の代わりです」


こんなさぁ解けないじゃん


チラッと見た彼女の指には俺がプレゼントした指輪が光っている。


…ほんと敵わない



何も言わず彼女の肩に触れ覗き込む形で彼女の唇に触れる。


触れた瞬間驚いてうぐっと動いた唇


心臓ドキドキしてるんだろうなぁ



「、なんですか！？」


「可愛いことするなぁ。
心臓ドキドキした？」

そう聞いてみると一気に赤くなる彼女


…ほんと可愛いしか出てこないな


愛らしいというのか


このまま設置したばかりのベッドに押し倒そうかとも考えたが怒られそうだからやめとこ。


このリボンほどきたくないな。

183→←181

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す