君の唇にキスさせて 4【紫】

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告白されました。

いや、そんな報告出来るわけもない。


仕事でカチャカチャとパソコンに触れていると3つ上の先輩が話しかけてきた。


「伏本ちゃんさ、今日飲みがあるけど行く？」

「？今日ですか？？」

「そうそう。どう？」

「あー、私はちょっと、すみません」

「あら、おっけー。分かった」


今日飲みがあったのか知らなかったな。

3日ぐらい前に目黒君と飲みに行ったけど…あれ以来ちゃんと深澤さんと話せていないな。


私が言葉足らずなのも悪いのだから謝ろう


でも……な


その時、後ろの方から声が聞こえた。


「深澤先輩は行きますか？」

「あら、今日なの？
じゃあ、行こうかな」


彼は行くのか。
じゃあ、家で1人考えよう。

どうやって謝ろうかな





仕事を終えて1人帰り支度をしていると飲みに行くメンバーが皆で集まっていた。

「どこで飲むの？」

「近くのお店を予約したんですよ」

「まじで！？」

「あ、伏本ちゃんお疲れ様ー」

「お疲れ様です。皆さん楽しんで下さいね」


皆の背中を見ながら席の前に立ち尽くしているとグループの中にいる彼に気づいた。

…参加しないってちゃんと言えなかったな


バッグを持って部署を出ようとしたら前の方から名前を呼ばれた。


「伏本さん」

「？深澤さん」


戻ってきたのか

少しだけ走ったのか息が上がっている。


「大丈夫ですか？」

「、うん。

すぐ帰ってくるから。」


すぐ帰ってくる


そこまで心配しなくてもいいのに


私は首を横に振って深澤さんに向かって笑った。


「大丈夫ですよ。
楽しんで来て下さい。

気にしなくて大丈夫ですからね？」

彼は私の方に触れようと手を伸ばしてきた。

でも、私はその手を避けて彼の背中を押した


「誰が見てるか分かりませんよ。

ほら、他の方は待って下さってるんですよね？
大丈夫ですから。」


彼は私の方を見ようとしてきたが少しだけ黙ると「ごめん」と呟いて皆の方へ向かった。


何で謝るんだろうか。


何も彼は悪くないのに



1人家路についても私には分からないままだった。






ご飯食べたりお風呂に入ったりして一人でゴロゴロしていても一向に彼は帰ってこない。

時計の針は夜の11時を指しそう。


大丈夫かな


するとその時インターホンが押される音がした。


？誰


玄関に行き扉を開けると深澤さんの体を支える向井先輩がいた。


「こんばん…は、って何が」

「こんばんは、ふっかさん酔ってて」

「え！？」


酔った！？

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