君の唇にキスさせて 3 【紫】

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…寒っ

ムクっと起きるとベッドで寝ていた。

……ん？


ガバッと起き時計を見ると朝の5時半


やらかした


やってない。寝落ちした。

隣を見ると彼が眠っていた。


音を立てないように部屋を出てリビングに行きパソコンに触れようと思ったらパソコンが閉じられていて綺麗に資料も整えられていた。

さっきどこまでしたか忘れてるかもな。

…どうしようか


部屋の電気をつけて資料を見たら付箋がついてあった。


黒のボールペンで「お疲れ。データは社員旅行のファイルに入れて、残りも終えたよ。だからゆっくり寝よう」とだけ書いてあった。


……え、全部終えたの？！


確か、あの段階で半分を超えてまだいけると思っていたぐらいだから


一度パソコンを開けてファイルを開けると確かに最後までデータが入っていてしかも合計まで出ていた。


……あの人何時に寝たのかな？


申し訳ないと思いながら数時間後に持っていくバッグに準備をしてまたベッドのある寝室に戻った。

静かにドアを開けてベッドに寝転がる。


少しだけポカポカしているベッドの中

彼の方を見るも彼は眠っていて起きそうにない。


……ありがとうって今にも伝えたいのに伝えられない。
なのに、どこか嬉しくてそんな彼の優しさが好きで

ちょっとだけそばに居たいなと思った。


少しずつ近づいて彼の手に触れる。

彼の左手をキュッと優しく握ってみる。



ありがとう。私凄く助かりました。


そう心の中で思うと私は彼の手をぎゅっとして目をつぶった。









なんかほっぺがツンツンってされた気がして目を覚ますと「おはよ」って聞こえた。


「…おはようございます」


「Aさん、起きましよー」


「なんで敬語なんですか？」


「朝起きたら左手握られている事に夢かな？って思ったから」


その言葉を聞いてガバッと起きて左手を見ると自分も驚いたが手を離していなかった。

恥ずかしくなりパッとすぐ手を離すと深澤さんはニヤッと笑い体を起こした私の腕を掴みもう一度寝転がった。


「ちょ、起きます！忘れて下さい！」

「甘えたい時は甘えたらいいのよー」

「っ、違う」

「じゃあ、何？」

私を見る深澤さんは笑顔でニコニコしていて朝から明るいがどこか目元は眠そう。


「ありがとうございます。」

「え？」

「あの、パソコン」

「あー、いいよ。俺も眠れなかったからさ。」


嘘つき


眠かったくせに


でも嘘をつく彼を見て何故か私は嬉しくて彼の胸に額をグッと当てた

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