君の唇にキスさせて 3 【紫】

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部屋に荷物を置いていき少しずつ形になっていく。


部屋は前より大きくなって。
でも、誰かと住むということで。


私、本当に誰かと住めるのかな？


仕事をしながら合間に荷物整理してをしていてようやく形になったある日



「ねぇねぇ、Aちゃんさ

深澤先輩と付き合ってるってほんと？」


「…え？」


朝、会社に行くとそう声をかけられた。


…橋垣さんが話したのかな


付き合ってるって知ってるのは…確かあの人しかいない。


でも、勝手に決めつけるのも申し訳ないし


「あの…」


机の前でなんて言葉をつなごうか迷ってしまった。


「ねぇ、どうなの？」

周りの目もこっちを向くし私はどうすれば



「おはよー。…？どうした」

「あ、深澤先輩」


用事があるという事で経理に向かっていた彼だけど私が席にも座らず話していた為か話しかけてきた。


「なんかあった？」


あの、仕事じゃないです


「深澤先輩、Aちゃんと付き合ってるんですか？」


私達の事で質問攻めになってたんです。


一瞬申し訳ないと彼の方を見たら彼はこくりと頷いた。



「うん。付き合ってるよ」


その瞬間周りがザワザワし始めた。
深澤さん、あっさり答えたし。


恥ずかしくなり下を向いてしまうと先輩方が深澤さんに話しかけている。


「はぁ！？お前、付き合ってたのかよ！深澤」

「仕事に支障を出さないようにしてたので大丈夫かなぁと」

「ふっか先輩がAちゃんと！？」


周りが驚くのも無理はない。


総務のリアコの深澤と総務の新米が付き合うとは思わないよね。


しかも接点ないし



「なーんだ。ホントだったんだ。いいね、Aちゃん」


話しかけてきた先輩がニコニコしながら話した。


何故かその言葉が怖いと思ったのは気のせいだったのだろうか。



少しして向井先輩が出社してきた。



「おはよございまーす」

…あ、だった。


「向井先輩」

「？どうしたん？」


ケロッといつもの向井先輩


先輩にも伝えた方がいいよね？


伝えようとした時近くにいた女性の先輩が私の背中をパシッとして答えた。


「向井君！Aちゃん、ふっか先輩と付き合ってるんだって」


「…へ？」


目をパチパチさせている向井先輩


私とメール確認をしている深澤さんを交互に見ていた


「ふっかさんと？」

「…はい」


「………！？！？、ん、えぇ！？

ふっかさんと！？」


「なんだよー、康二」


「え！？わぁ！？ふっかさん」


先輩取り乱しすぎです。

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