8 ページ8
「…ふか、ざわさん？」
「きついね。大丈夫だよ」
深澤さんはそう言うとジャケットを脱いで私にかけてきた。
そして、私の体を抱き上げた。
「…、う、つる」
「病院行く？」
「仕事…」
「時間休使うからいいよ。
1回仮眠室行くけどいい？」
もう声も出したくなくて頷くと深澤さんは私を仮眠室のベッドに寝かせてくれた。
眠い中覚えているのは深澤さんが氷の入ったビニール袋や冷えピタを持ってきて私のおでこや脇に当てたりしていた。
申し訳ないな。
辛くて頭も痛くてきつい
すると少しして深澤さんはバッグとかを持ってやってきた。
「お待たせ。
玄関にタクシー呼んだから降りよう」
タクシー…
立ち上がろうと体を起こすと深澤さんは私の肩に触れ私の言葉を聞く前にゆっくりと抱き上げていた。
「よいしょ」
「、あ、…の」
「大丈夫だよ。もうあの日みたいな怖いことはしないから。
でも、熱あるし無理はしないで」
まぁ目眩もするから降りるのは確かに危ない
ありがとうって言いたいのに伝えられない。
仕方なく深澤さんに身を預けているとタクシーの中では座り方はどっちがいい？と聞いてきたので「寝たい」と呟いたら深澤さんは私を後部座席に寝かせて横に座ってきた。
規則正しく背中を撫でる手は心地よい。
これ会社に連絡してない。
熱下がったら伝えよう
そう仕事のことばかり考えていると病院に着く前に一瞬だけ頭を撫でられた。
頭撫でた？
深澤さんの方を見ると窓の方を見ていて上手く分からなかった。
病院に着くと深澤さんはタクシーのお金を払い私を起こしてくれた。
受付も何故か彼がしてくれた。
至れり尽くせり状態だ。
「熱測るよ」
「深澤さん…」
「ん？」
「ごめん…な、さい」
申し訳ない。
だって仕事の時間休使って人の看病とかさ。
しかも彼女でもない。
体温計を脇に脇に挟んで言うと深澤さんは首を横に振って隣に座った。
「昨日雨で体冷えたんだろ？」
「…多分」
「俺も無理矢理でも傘渡しとけばこうならなかったなぁって思うよ。」
それは怒ってますか？
でもさ傘渡されたら深澤さんのが無いじゃん
「俺のせいでもあるから気にしなくていいさ。
お昼食えそう？」
「……分かりません」
「まぁ薬が出ると思うけどご飯食べないと胃腸に悪いからなんか食べな」
お母さんみたい
ゆっくり頷くと深澤さんは私の背中を撫でた。
診察結果風邪で熱が高いとの事だった。
今度から気をつけよう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4918人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハル春(プロフ) - どったんさん» コメントありがとうございます！かっこよく楽しく書けているかいつも不安になるのですがそう言って下さりとても嬉しいです。物語はまだまだ続くので頑張っていきます！ (2020年6月2日 9時) (
レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
どったん(プロフ) - 初めまして！すごく楽しく読ませてもらってます！康二の後輩、ふっかの彼女、私的に最高です笑 これからもきゅんきゅんしながら読ませてもらいます^ ^更新頑張ってください！ (2020年5月31日 9時) (レス) id: 84d5e4ca01 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - FukaKojiさん» コメントありがとうございます！現在更新が出来ぬ日が続いておりますが少しずつ作品を書いていくのでどうぞこれからも頑張っていきますね！ (2020年5月23日 10時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
FukaKoji - とてもドキドキしました。ふっかさんと恋してるみたいでた。無理のないように更新頑張ってください！続き楽しみにしています！ (2020年5月14日 17時) (レス) id: fa88d31e53 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - さおりんさん» コメントありがとうございます。ドキドキして下さってるとは光栄です。かっこよく表現できているのか書いていて不安になることもありますが楽しみになる作品にしていきたいと思います。更新頑張っていきますね。 (2020年5月8日 1時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハル春
| 作成日時：2020年4月19日 0時
