君の唇にキスさせて 【紫】

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好きな物を聞くことには成功した。


数日後経理課に用事があり1人向かいながら考えた。


バスケ出来るんだ。
…初めて知るのが多かったな。

彼女らしいことした方がいいのかな？

でも待ってこのままでもいいのか？


「あの、どうされました？」

「え？」


声をかけられハッと気づくとそこは経理課の扉の前だと分かった。

そして、経理課の人なのか私に話しかけていた。


「あ、すみません！

えっと、経費の事で」

「あ、じゃあ領収書ありますか？
ここで確認できますので」


ファイルの中から領収書を取りだし男性に渡す。


…ぱっと見ただけで出来るのかな？

仕事早い人だな


なんて名前の人だろうと思い首からさげている名札を見ると「阿部 亮平」と書いてあった。


阿部さんか覚えとこうと



「…総務って事はこの字は深澤さんかな？」

「あ、はい！」

「やっぱりね。ふっかとは最近会っていないけど元気？」

「深澤さんはお元気ですよ。
それよりも、お知り合いなのですか？」

「？んー、同期ではないけど教育係のような人かな」



そうなんだ。

初めて知ったな。


仕事に関係ない話をしてごめん。と謝る阿部さんに気にしないでと伝える。


確かにあまり会わないかもな、経理課に行く事ってあまりないし。


総務へ帰りドアを開けると深澤さんはパソコンに文章を打ち込んでいた。

周りには書類が少しだけ山となっている。


私は近づき声をかけようと思ったが忙しそうだった為話しかけずに席に戻った。


席に座り時計を見ると昼の12時を指していた。


お昼じゃん


近くのコンビニに行ってこようかな
でもな


「さっき何か話しかけようとした？」

「え？」


椅子を後ろに向けると財布を持った深澤さんが立っていた。


あれ、さっきまでパソコンを


「なんかあった？」

「い、いいえ。大丈夫です」

「そう。お昼は？」

「…いいかなと」

「じゃあ、俺と食べにいこう。」


それを聞いたら周りがザワっと一瞬した。


いや、私も驚きですよ。


黙ってしまうと深澤さんは黙ってジーと見てくる。

これは、行った方がいいのかも


携帯と財布を持つと深澤さんは黙って歩き出した。

え！？早い


急いでついていく。


横に行ってはダメなのかもと思い少し後ろをついていく。


…お疲れなのかな？
今日は朝から深澤さん仕事を任されてパソコン漬けだし


会社を出て向かったのは近くのファミレスだった。

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