君の唇にキスさせて 【紫】

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知ってたんだ。深澤さん


家に帰った後お風呂に入りながらそんなことを考える。


知ってそうな素振りなんも見せなかったじゃん。
凄い人だな。

湯船に肩まで浸かり天井を見ながらあの人は魔性だなと思った。

そういえばあと少しで社員旅行だ。

…一人部屋かな？一人部屋ならいいけど
それと、何処かな

同期はほとんど男性だし女性が珍しいから私誰と一緒に回ろう。


…これだけは分からぬ悩みだな。

私は湯船から出て寝る準備をした。









「今年の社員旅行は大阪に決定だから申し込みしとけよー」


次の日の課長の言葉で社員旅行が大阪だと知った。

大阪…食べ物美味しいところだ。あと、観光地もある
テーマパークもあるじゃん

やばい早く行きたい


「なんかキラキラしたエフェクト出てるで？」

「向井先輩大阪ですよ」

「いや、俺関西。まぁ、観光案内出来るで」

「行きたいです。」

「がちの目やん。ええよ、佐久間君とかも一緒に回ると思うけど」


観光地とかやっぱりわかる人が居ると心強い向井先輩
に手を合わせて有難うございますと言うと向井先輩は
「苦しゅうないおもてをあげい」と言っていた。


早く旅行になってくれそんな気持ちが強くなっていった。






「康二、たこ焼き食べようよー」
「いや、まずはお好み焼きだな」
「うんうんどっちも食わしたる」


向井先輩


あの時佐久間先輩が来るって言ってましたよね？


何故深澤さんもいらっしゃるんですか！？


男性3人の会話を聞いていると向井先輩が私の肩に触れ2人を見た。


「ほら、Aが早く行きましょって顔してるんで歩きますよ」

「いや、私そんな顔してません！」


向井先輩の方を向いて否定するとそれを見てた佐久間先輩が笑いだした。

「いやぁ、営業課に研修来て以来だけどやっぱAさんは変わらないね」

「、佐久間先輩そんな笑わないで下さいよ！」

「営業課研修の時のあのアタフタした動作はまるで小動物みたいで可愛かったんだよー」

「恥ずかしいこと言わないでください」

佐久間先輩に手を伸ばして止めようとしたら佐久間先輩はその手を掴みニッと笑った。

「隙ありー！」

「怒りますよ！」


ワーワー2人で話してるのを深澤さんは笑いながら見ていて止めるような素振りはない。


今回の旅行大丈夫なのだろうか


「ほれほれ、行きますよー」


向井先輩のガイドが始まったので私たち3人は先輩の後を付いて行った。

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