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俺じゃないんだけど
そう声を出そうと思ったが目の前にいる神崎さんを見て「あいつ」が言ったというのが分かった。
阿部、なんで嘘をついた？
でも俺は咄嗟に思い出したかのようにした。
「あー、あれ？
大丈夫だよ。気にしないで」
職員室にあいつは居るのか？
聞かないといけない。
神崎さんが部屋から出た後俺は阿部の所へと向かった。
職員室のドアを開けると阿部はパソコンで資料を作っていて仕事をしていた。
「おい、阿部」
「？あれ照じゃん。どうした？」
「…ちょっと聞きたいことがある。ちょっといいか？」
すると俺が何を聞きたいのか分かったのか阿部は一瞬だけ嫌そうな顔をした。
だけど、直ぐに頷いて「いいよ」と言った。
職員室を出て生徒指導室に入る。
誰も居ないその部屋の奥に行き阿部のほうを向くと阿部は黙って俺の方を見ていた。
「阿部」
「嘘を話したことでしょ？」
「…うん。」
「あの子に言っていないなら俺はいいよ。」
「あのな嘘をついても彼女の為にはならないだろ」
「……あの子を守る為に」
「それは阿部のエゴだろ。お前が良くても神崎さんが良くなければダメだ」
「照は知らないくせになんで知ったようなこと言うんだ」
いつもよりもスンッとした阿部の声が俺の中に刺さる。グッと俺の方を見る目は生徒に向ける優しい阿部からは想像できない。
佐久間なら知ってる。
そう以前ふっかに言われた。
ふっかも多分知ってるんだろうけど何故か教えてくれない。多分それは阿部を守る為なんだろう。
でもそれではダメだ
それでは
「…っ、苦しそうな顔してよく言うよ」
成長させないと意味が無い。
阿部の目を見て話すとフッと目を逸らして何も言わず阿部は部屋を出ていった。
…俺は何をすれば救えるのか分からない。
一緒の同期でここまで来たのであればなにか救える方法はないのか？
椅子に座り考えてみても何も思いつかない。
誰でもいい
阿部を助けてくれ
照の言葉は俺の心に刺さった。
分かってる。
図星だった。
部屋を出て職員室に帰ろうとしたら進路指導室の方からふっかが歩いてきた。
「いつにも増して嫌そうな顔だね阿部ちゃん」
「今みたくない顔だね」
「ひどっ！？」
どうにかしてここをかわそう。
仕事があると言ってここを出て
「アクシデントに弱いのは変わらないね阿部ちゃん」
だから今こいつに会いたくなかったんだ
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みか - この話から阿部ちゃん先生の呼び方?が苗字から名前になってる‼︎😳素敵な作品ありがとうございます！続きも楽しんで読ませていただきます！ (1月1日 2時) (
レス) @page20 id: 949f4ed0f7 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 一気に読んでしまいました！すごくお話が好きでキュンキュンしちゃいました！続きも楽しみにしてます！ (2020年5月20日 13時) (レス) id: cb259b82a2 (このIDを非表示/違反報告)
saya_＊(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます(*^^*)最近すのの事を好きになって、こちらの小説にたどりつきました！学生時代が遥か昔の私ですが、こんな先生いたら良いな〜と思いながら楽しく読ませて頂きました！キュンキュンしすぎて・・・とってもとってもおもしろかったです！ (2020年4月21日 7時) (レス) id: 3ebc1b1e33 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - まりなさん» コメントありがとうございます！登場人物が多くなりそうなので迷ってましたがそう言って下さりとても嬉しいです。渡辺先生のあの言葉は改めて自分も読むと言いそうだなぁと思ってました。これからも頑張っていきますね (2020年4月8日 0時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
まりな(プロフ) - 両片思いのちょっとライバル的な相手が出て来て相手を避けちゃって…っていうもどかしい感じが大好きなので毎日きゅんきゅんしながら読ませていただいてます！阿部先生…あざといや…ちなみに渡辺先生の「まぁ3年の意地で皆ボコボコにしな」がツボでした！ (2020年4月7日 0時) (レス) id: 4917011bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2020年3月19日 4時
