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頭グワングワンする

目を開けるとあたりは真っ暗


電気つける余力もない


…寒い


その時、寝室の扉が開いた。


…おかえりって言わないと


心配かけちゃダメなのに


「A、どうした?」

「…な、んも」


何かを察したのか淳太さんはおでこに触れた。


ひゃってしてる。寒かったのかな


「あつっ!熱あるやんけ!」

「…だい、じょうぶ」

「大丈夫なわけないやろ。
体温計持ってくるわ」


リビングに戻り体温計を持ってくると私の脇に挟ませる。


ピピピッという高い音が鳴りそれを取ると淳太さんは携帯を開いて何かを検索していた。


…?どうしたの


「なん、ど」


「A、夜間もしてる病院に行こう。」


「…1人で、行く」


「はぁ?無理やろ」


「頑張る、から。」


「俺が運転するから。保険証財布の中やろ?
ひとりじゃ無理やわ」


「いや、」


体を起こして横にいる淳太さんに言うと少し困った顔をしていた。


もしも今夜行ってインフルなら彼は仕事に行けない。
会社では家族の誰かがインフルや感染性の何かにかかったら仕事を休まないといけない。


でも、今忙しいし


彼が休んだら上の人達が困る


ちゃんと自己管理してない自分が悪いし


毛布をギュッと掴んでいると背中をゆっくりとさすられた。


「…?」


「きついやろ

無理させてごめんな。一緒に病院行こう」


「……仕事」


「ん?ええよ。
仕事は気にしなくていいから
体痛いんやろ?車まで歩ける?」


意識も大丈夫だし

ゆっくりなら行ける


コクリと頷くと淳太さんは優しく微笑みコートを私の肩にかけて毛布やバッグを手に取った。


車まで行くと後部座席私を座らせた。


「病院つくまで寝とってええよ。

暖房つけようか」


「……ごめん、なさい」


淳太さんは手を止め私の方を見てきた。


車の中だと少し距離がある。


彼の方を見ていると淳太さんは毛布を私の首元までかけた。



「大丈夫やから」


優しい響きだったな


車が動き出すと私はまた目を閉じた。




「インフルエンザなので仕事にも行かないで安静にしてて下さいね」


「はい…分かりました」


医者から言われた言葉はそりゃあ予想してた言葉と一緒


どこで貰ってきたのか


帰りの車の中運転する淳太さんを見て申し訳ないと思えた。


「…淳太さん」

「ん?どうしたん?」

「…ごめんなさい」

「仕方ないわ。ゆっくり休めってことやろ

だから大丈夫」

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ハル春(プロフ) - みのりぃさん» コメントありがとうございます!凄く長く続いた作品だったので私自身寂しい気持ちもあります。この作品を好きでいて下ってありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - みよこさん» コメントありがとうございます!とうとう完結してしまいました。我ながら寂しい気持ちもあります。これからも他グループかもしれませんが作品を書こうと思ってますので頑張っていきますね! (2020年3月15日 13時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
みのりぃ(プロフ) - 完結しちゃいましたね…。好きな小説が完結…また読み直します^^ お疲れ様でした (2020年3月15日 11時) (レス) id: 41f152ed59 (このIDを非表示/違反報告)
みよこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。完結ですね。その後もみたかったです。さみしいです。これからも、ハル春さんの作品楽しみにしてますね!頑張ってくださいね (2020年3月15日 9時) (レス) id: c11d361e82 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - ももちゃさん» ありがとうございます!更新が最近途絶えてしまいすみません。少しずつですが更新しようと思いますのでよろしくお願いします! (2020年2月23日 18時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル春 | 作成日時:2019年12月25日 1時

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