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本当はそんなことしたくないのに。
声をかけるとそのグループにいた数名の男性と女性は「え？」という顔をしていた。
「あ、君。
クビになった子」
「はい。クビになった人です」
「宇津山から奪うとかお前も魔性の女だなぁ」
「…悲劇のヒロインぶってる彼女の方が魔性の女ですよ。でも、皆さん知らないからこそそう言えるんです。
何も知らないくせに噂話に流されて。
それと彼は何も悪くありません。
彼は巻き込まれたんです。彼は凄く仕事にも真っ直ぐで優しくて良い人なんです。
お願いします。彼のことは悪く言わないで下さい」
頭を下げるとその人達からはクスクスという声や
困惑する声も聞こえた。
私バカにされていい
だって怒らせて、終いにはクビになったし
こんな奴にバカにしてもいいさ
でも神山さんだけは
彼だけは守らないといけない
黙って頭を下げ続けていたら後ろから手首を掴まれて後ろに引かれた。
手が離され目の前を見ると神山さんが居て前の人達が見えなくなった。
「…なん、で」
「おい。宇津山と俺が付き合ってるって？
そんな馬鹿な噂誰が流したんや？
一人の女の子泣かすとかお前ら最低やな。
クビになったのも宇津山の仕業やわ。
何も知らんくせに偉そうに言うなよ。」
怒った声が耳に入る。
止めないといけないのに
止めないと
神山さんのスーツを後ろから掴むと神山さんは掴んでた私の手に優しく触れ指を絡めてきた。
…こっちを見ずによく出来るな
「俺の悪口なら言ってええよ？
でもこの子の悪口は許せんわ。
正しい子を俺は守るよ」
…正しい子
絡められた指がキュッと強くなる。
暖かい
暖かいよ
すると神山さんは「じゃあ」と言って私の手を引いてその場をあとにした。
繋がれたままの手は離れることなく前へ前へと歩いていく。
どこ行くんだろう？
ちらっと神山さんの方を見ても無言
怒ってるのかな？
「…あの」
「明日仕事何時から？」
「え、8時です」
「…8時かぁ
…ちょっと俺ん家行こうかな」
え、え！？
あのアパートの
「あ、あの。それは」
「ゲームでもしてゆっくり過ごそう」
あ、ゲーム
「…はい」
そう言うと神山さんは笑った。
神山さん家初めてでは？
家の中に入るとゲーム機や仕事の資料も置いてあった。
だけど片付いてる
部屋を眺めていると神山さんは笑いながらスーツのジャケットを脱いでいた。
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なす(プロフ) - ハル春さん» こちらこそ忙しい中ありがとうございます！ (2019年11月6日 20時) (
レス) id: 8ea933b9e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - なすさん» コメントありがとうございます！全部ですか！？嬉しいです、ありがとうございます！更新頑張っていきますね (2019年11月5日 23時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
なす(プロフ) - ハル春さんの小説全部読んでますどれも大好きです！更新頑張ってください！ (2019年11月5日 13時) (レス) id: 8ea933b9e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2019年10月7日 0時
