不器用恋愛 (ページ3)

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小瀧君はあの後なんか嬉しそうな感じだった。

何にそんな嬉しそうなのか

「…ニヤニヤしてるよ」
「え？いやー、ええなぁーと」
「何が？」

そう聞いても内緒と言って何も言わない。

…ていうか目の前にいる人は総務課じゃん

「ねぇねぇ」

「んー？」

「なんでさ、敬語じゃなくてタメ語みたいな感じなの？」

「あぁ、同じ関西やしね。

濵ちゃんの方がかたくなくてええよーって言ってきた」

「そうなんだ。」

…共通なことがあるって凄く羨ましいな。

って何を同期に嫉妬してんの？

いいことじゃん。同期が何不自由なく仕事できるって

お茶を飲みながらそっぽ向いて考えていると小瀧君が私の食べた食器を片付けながら席を立った。

「あ」

「まぁまぁ

恋煩いはそんなもんだよ」

「…へ？」

「どんまーい」

小瀧君はそう言うと私に良い笑顔を見せてその場を後にした。

バレてた…

仕事に戻っても頭に入らないし手も進まない

どうしよう

ていうか…一番厄介な人にバレた。

あ…もう無理

沢山数字が書いてある紙を見ながらボーとしていると後ろから声をかけられた。

「高波ー、シャキッとしろ」

「？！はい！」

課の先輩からそう声をかけられた。

やばい仕事は仕事だ。

やってやるという気持ちで仕事をし始めたら急に胸が少しだけ痛くなった。

「っ？」

なんだ？

でも少し経つとおさまった。

…疲れてんのかな

ちょっとだけ水飲みに行こう。

給湯室の方へと行こうと立ち上がったら急に立ちくらみがしてガタッと座り込んでしまった。

…何？

今

「おい！？大丈夫か？」
「…え、あ、大丈夫です」

そう言ってゆっくりと立ち上がる

でも上手く力が入らない。

な…に？

そして少しずつ体が重く感じていく。

…これ

手の力が抜けてまた崩れそうになった時横から体を支えられた。

「…え」

「大丈夫ですか？！」

「…なんで」

普通ここに居るはずのない人がいた。

「は、濵田さん！？

どうされたんですか？」

「ちょっと用事があって経理課に来たんです。

それよりちょっと医務室行きましょうか」

医務室

その声を聞いてか好きな人が居たからかほっとしてしまいそのまま私は意識をなくしてしまった。