不器用恋愛 (ページ2)

今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:15,884 hit

1 ページ2

経理課の私と総務課の彼が仲良くなるのに時間はかからなかった。

通りすがりや挨拶をしたら立ち話ということが多かった。

話してて気づいたことは多分濵田さんは関西の人だということ。

ニュアンスというのかな？

でもいつも丁寧語

多分仕事だからかな？

いつか聞けたら嬉しいなぁと思う私がどこかにいる

でもただ会社内で話すだけで電話番号もメールアドレスもなんも知らない。

これは無理か？

先が思いやられる

そんなことを社内食堂の椅子に座ってお昼ご飯のうどんを目の前にし考えていると総務課にいる同期の小瀧君が目の前にやってきた。

「お？Aじゃん

どうしたん？」

「…小瀧くんに捕まった」

「え！？なんでそんな残念そうなん！？」

いや、残念ではないけど

社内では有名なイケメンくんが目の前にいたらそれはそれは考えますよ。

目を合わせることなく箸をとりうどんをすすろうとしたら小瀧君は私の方に少しだけ身を乗り出してきた。

「なぁ、Aさ。総務課の濵田っていうの知ってる？」

「ズッ！？ゲホっゲホ！」

「おわっ！？むせた！！！」

「…知ってるもなにも君の先輩じゃんか」

焦った。

少々むせたけどどうにか切り抜け

箸をおき小瀧君に向かって言うと小瀧君は麦茶を飲みながらニヤニヤしていた。

「…何？」

「んー？なーんも」

「…何かさ隠してるでしょ？」

「俺隠し事せぇへんよ？」

「嘘つけー」

「嘘ついてへんしー」

目の前にいる小瀧君といがみ合っていると小瀧君の肩を誰かがポンっとした。

…あ

そこには食堂の食券を持った濵田さんが苦笑しながら見ていた。

「望、あんまいじめんなよ」

「いじめてへんわ！

同期の相談にのってただけですよー」

そ、相談って

…相談ではなくただのいじられてただけのような気が

そう思っていると濵田さんは私の方を見てきて話しかけてきた。

「へぇー、同期なんだ」

「はい、と言っても課が違うので滅多に話さないんです」

「え、あ、滅多に話さないの？」

「？はい」

「濵ちゃん、標準語似合わんって普通に話そう」

小瀧君の声が耳に入ってるのか

濵田さんは「そうなんや」とぽつりと呟いてから私達2人を交互に見た。

「てっきり仲ええからそうなんやと思ってたわ」

「…え」

「そ、それじゃ！俺昼まだなんで」

そう言うと足早にその場をあとにした。

…関西弁聞けた

急すぎて驚いてると小瀧君は箸を持ちながら濵田さんの方を見てニヤっと笑っていた。