恋焦がれて 2 【津田健次郎】

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イタリアは夜が寒い

仕事は上手くいってる

イタリア語や英語でもう頭はパニックだけどジェスチャー程々の英語で伝えてた


日本語を話したい


津田さんに電話をしたくてもあっちとは時差が違う

簡単に言うとこっちが夜ならあっちは昼だ。

絶対に眠いし


疲れてるかもな


「ハーイ、Msサカキ

オツカレサマ」

「？！あ、サンキュー！」


こうやって稀に日本語で返してくださる人がいるから内心ホッとはしている。

言うには私がこっちの言葉を使うのに何故自分達は日本語を学ぼうとしないのだろうかという疑問に陥り

来てくれるだけでも嬉しいのだからちゃんと覚えなくてはということで日本語を話す人もいる。


「上手ですね」

「ジョオズ？」

「はい、berryGood」

そう答えると凄く嬉しそうに笑ってくれる。

私も頑張らないとな。


電話をしたいが電話をしないというのを繰り返して約数ヶ月


今日は良い日らしく皆足早に帰っていく。


「キョウハchristmas」

なるほどクリスマスか

そりゃあ皆帰るよね


「お、なら早く帰らなくては」

そう言って社員のお手伝いをしながら早く終わらせていく。

その時数名の人が今晩一緒にご飯どうですか？と聞いてきたが断った。


彼らは彼らの生活があるし


恋人とか家族とかと暮らすのが筋だよ。


皆が帰ったあと1人で部所を出てマフラーを巻きコートを着て家へと帰る。

家はアパートみたいな所だ。

指先が寒いな


鍵を探しながらアパートのフロアーの中へ入ると自分の部屋の前に小包が置かれてた。

？

なんだこれ？？


私宛だ


誰だろ？


そう思い相手のところを見ると


「…つ…だ」


英語でそう書かれてのがわかった

箱を持ち鍵を開け部屋に入る。


暗い部屋なので電気をつけ箱を見る

…軽いような


リビングに行き箱を開けると箱の中には


「…指輪だ」


シンプルなシルバーなリングに文字が描かれた指輪が入ってた。

文字を見ると私のイニシャルが描かれてた。

でも


「…？これ、サイズ違う」

でかいような


…間違えたのかな？


まぁ嬉しいし

そう思っていると携帯の電話が鳴った


「もしもし」


「おー。久しぶりだな

届いた？」

「っ、ははっ
綺麗な指輪ですね。
なんですかー？クリスマスプレゼントですか？」

「それ、お前のじゃねぇよー。」

「……え？」

「寒いなぁ。

イタリアの夜って」


まさか


急いで玄関の方に行きドアを開けると


「…よっ」



電話の相手がそこにはいた

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