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降谷さんは部屋の中に入りソファーに座って頭を抑えていた。

「…痛み止め飲みます?」

「んー。大丈夫

寝れば」

「飲んでみていいと思いますよ?
あまりに痛いと寝ることも出来ないので」

降谷さんの目の前に白湯と薬を置く。

すると、降谷さんは私を一瞬見た後「悪い」と言って薬を飲んだ。

…お腹減ってるかな?

「お腹減ってますか?」

「ん?食べたから大丈夫」

「それじゃあ、暖かいお茶を持ってきますね」


そう言って私は離れるとお茶を作った。
お茶の葉を急須に入れてお湯を注ぐ

台所でそんなことをしてると

降谷さんはソファーに深く腰掛けて上を向いて息を吐き出していた。


仕事がうまくいかないのかな?


お茶を持って降谷さんの所に行くと私の方を見てお茶を手に持ち話し出した。


「寝てたよね?

ごめんね」


「いえ、寝れなくて起きてしまったので

…降谷さん」

「ん?」

「無理はしないで下さいね。
降谷さんが倒れるところは見たくありませんし」

「俺は倒れないよ。
Aを守るのが俺の仕事の一つでもあるし」

「…私の事は後回しにして助けれる人数が多い方を優先して下さい」



目の前の床に座って降谷さんに言うと急に腕を掴まれて無理やり立たされた。

その目は凄く真剣で誰も


「俺は全員死なせませんよ」

言い返す言葉は見つからない。



多分目の前にいる彼は純粋な気持ちなんだと思う。
真っ直ぐで正義感に溢れる。

でもどこかついていけないぐらいの思いがあり
それが彼を動かす原動力になっている。

それが無くなったら…彼は動かなくなりそうで


「…私はもしも

自分が人質になった時はそのほかに居る人を生かしてあげたいと思います。

人が…誰かが苦しめられてるのを見たくはありません。

でも降谷さんのように全ての人を助けれる力は私には無いので…自信満々に答えられることが羨ましい」


本音がぽつりと零れ始めていた。

人との付き合いは沢山やり方があるのは知ってる
傷つくやり方もあるし間違ったやり方もある。

何が正しくて正しくないのかは誰も分からない。

すると、降谷さんはゆっくりと私の右頬に触れ私の右耳の後ろに指を当ててきた。

「そんなことない。
俺にとってAと居ることが動く糧になっているんです。

…Aは無力じゃない。
凄い力を持ってるよ」

そう言って私を優しく抱きしめてきた。

あぁ

彼を



「…っ」


無くしたくない。

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- もう見てはいらっしゃらないでしょうが、遅れて凄く素敵な作品に出会ってしまったのでコメントだけでもさせてください。途中まででもすごく楽しめました。ありがとうございました(;_;) (2021年11月22日 16時) (レス) @page36 id: 949488e612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - ウツボカズラさん» コメントありがとうございます!返信が遅れてしまいすみません。そう言って下さりとても嬉しいです(*´∇`*)更新が遅いですがこれからもよろしくお願いします (2018年7月15日 16時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ウツボカズラ(プロフ) - めちゃくちゃ降谷さんかっこいいいいいですどストライクです!!すてきな小説ありがとうございます( ;∀;)ぜひこれからもよろしくお願いします!!楽しみに読ませていただきます!!! (2018年6月3日 12時) (レス) id: ba7ef38af0 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - ○○さん» コメントありがとうございます。そして、返信が遅れてしまいすみません。イケメンに書けているのか?といつも不安だらけで書いてます。これからも更新頑張っていきますね! (2018年6月1日 0時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - シルビアさん» コメントありがとうございます。そして、返信が遅れてしまいすみません。降谷さんイケメンに書けてますか!?凄く不安だらけです。でも凄く嬉しいお言葉です。ありがとうございます (2018年6月1日 0時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル春 | 作成日時:2018年4月30日 0時

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