【長編】こんな世界でも君が好き【終わりのセラフ】 (ページ20)

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17話　優一郎視点ページ20

空音はどこにいんだ？今日こそ相手してもらう！

に、してもどこだ？

「あれ？優君、何か用？」
「あー！いた！」

とりあえず、突っ込む！
「うぉりゃぁああ！」
「うわわっ」

なんて慌てた声出しといて、軽々と避けられ全然当たらない。最終的に足引っかけられた。
やっぱり強い！

「ごめんね、転ばせて。で、何か用？」
「おう！訓練の相手をしてくれ！」
「いいけど、私の家でもいい？」
「全然！」

相手してくれるって！よっしゃあ！！
「あ、じゃあちょっと待ってて、この本片付けてくるから」
ん？本？改めて空音を見ると大量の本を抱えていた。
足引っかけたのは本を大量に持ってたからか。
そんな状態でも勝てないって…。

次はどうしたら勝てるかとか考えてる内に戻ってきたみたいだ。何故かあの柊深夜ってやつもいる。

「待たせたね、それじゃあ行こっか！」
「おう！」

何だかんだ初めて空音の家に来たな、ていうか家あったんだ。
とりあえず中に入れてもらった。これからお昼だとか何とか。

すぐ作るから、そういって台所へ行った空音。座ってていいと言われたので座って待つ。

すると、何か飲みますか？といきなり声が！
思わず驚くと、そいつは酷く慌てだして謝ってきた。

「本当にごめんなさい！」
「俺も悪かった、ごめん」
「あ、サナちゃん、元気？」

サナと言うらしい。
空音の家族か？深夜は知ってるみたいだ。
自己紹介をされたので俺も返す。やっぱり家族だった。

「血は繋がってないんですけどね」
「そんなの関係ないだろ、家族は家族だ」
「…はい、そうですね…！」
「できたぞー！」

ごちそうさま、と手を合わせる。炒飯、旨かったー！
そういうと、ありがとう、と嬉しそうにしてくれた。
さて、飯も食ったし！早速＿＿＿＿＿＿

「食べてすぐ動くとお腹痛くなるよ、優ちゃん」
んなっ、でも確かに深夜の言うとおりだな…。

少し時間を空け、いよいよ訓練の時間だ！
「どっからでもいいよ」
「へっ、じゃあ遠慮なく行くぜ！」
ダッ、と勢いをつけて突っ込む。容易く受け止められ、軽くふっ飛ばされた。

受け身を取ろうとしたところで受け止められた。ん？

「え…！」
「優ちゃん、大丈夫？」
「ミカ、ミカなのか…？」