【長編】こんな世界でも君が好き【終わりのセラフ】 (ページ14)

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11話　深夜視点ページ14

「このあとは、空音の話した通りだよ」
「そんなことが…」
「ここからが本題なんだけど」

と、刹那が続ける。

「サリアが、日本に来ている」
刹那を探しに、この近くにまで来てるのだと。

暗い顔で話す刹那、よく見ると、唇をかみしめ、震えてる。
「だからもし、サリアに会ったら逃げろ、」

僕を置いてでも、と言おうとしたのを、置いてかない、と空音が言って遮った。
置いてけ。置いてかない。
置いてけ。置いてかない。
置いてけ。置いてかない。

言い合いが続きそうだったので、止めるためにも気になっていたことを聞くことにした。

「君達姉妹は、貴族なの？」
「僕とサリアは、第二位始祖、だ」
「なっ、第二位!?」
思わず驚いてしまう。2桁でも厳しいのに…。

だから置いてけ。刹那がそういった直後に、やだ、と声が聞こえた。

また、置いてけ、置いてかない。の言い合いが始まったが、空音が3回ぐらい言い返したところで刹那が。

「いい加減にしろ！今の君が適う相手じゃない！」
声を荒げて言う。そりゃあ、第二位だからね。すると空音はこんなことを言い出した。

「ならさ、強くなればいい」
「は、何言って…」

「もう失うのは嫌だから、今まで鍛えてきたのだって、吸血鬼を倒すため何かじゃない」

守るため、この力は守るためのものだ。
真っ直ぐに刹那を見つめて、至ってまじめに、そういった。

一方言われた刹那は、驚きのあまり目を見開いている。口から発せられるのは、な、とか、は、とかばかりだ。

「確かに。これからは1桁の貴族も相手にしなきゃだし、強くならないとね～」
僕がそういうと、そうそう！と言う空音を見て、刹那は呆れたようにため息をついた。

(呆れた、まあ、そうやって力を求める人間は、)
(嫌いじゃない、って？)
(空音、僕の台詞取らないでくれる？)
(あはは、ごめん)